2018年5月27日日曜日

5月後半できごとまとめ

相変わらずぼんやり暮らしてるが、このままだと
後で振り返ったら何もせずに過ごしてたかのように思えるので、
記録ぐらいは残しておきたい。


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5/12 桃月庵白酒独演会
終始笑いっぱなしの会だった。
やっぱり白酒師匠は、女性の演じ方描きぶりが抜群だ。
年寄りのバリエーションも好き。
白酒師匠の体を使って、様々な人物が生活してるような錯覚も覚える。
厩火事はおかみさんがボケ倒すは、氏子中の開き直りおかみは可愛いは、
化け物使いの隠居と杢助、化け物たちとの絡み合いも忘れられない。

道灌 あられ
氏子中 白酒
厩火事 白酒
化け物使い 白酒



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近所にあるイタリアンレストラン跡。
家賃が高いせいか、しばらく空き家のままだったが
このたび動物系カフェが入店した。
鳴き声が外まで聞こえてきて可愛い。長く続いておくれ。


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春のお楽しみ、美瑛選果のアスパラガス。
今年も露地物アスパラが届いた、2Lサイズを2kgだ。
妻に調理してもらい、アスパラベーコンと春巻アスパラを食べたら驚いた。
口の中で融ける。春巻のサクリとした食感の後は、
うっすらとした食感を残して野菜の甘味となる。すごいな。
これでも輸送に2日かかってるというのに、採れたてなんかどうなるんだろ。
来年も注文しよう。




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徳川美術館 華ひらく皇室文化 - 明治宮廷を彩る技と美 -
父母と観に行く。
パレス・メイヂの世界だー。
大政奉還の時代から明治の終わりまでの皇室のゆかりの品を展示。
訪れたばかりの京都御所に関わるものもいくつかあり、臨場感が味わえた。

目玉の昭憲皇太后着用の中礼服はもちろん見ものだったが、
紺色紋絽流水柳文小袖がとても良いものだった。
紺色で涼しげな絽の生地に、水辺の柳をベースにして
上には雀、下には鷺がそれぞれ刺繍されてる品の良い衣裳。
雀は蜘蛛を啄んでたり、鷺は魚を獲っていて、いつまでも見飽きない。

明治の美術品技工品も数多く並び、昆虫の自在置物は一つ欲しくなる出来。
初代宮川香山の焼き物もあったがさすがに上品なものだった。
尾張徳川家14代、徳川慶勝の愛用した品も多く並べられていた。

会場によって展示内容が大幅に変わるみたいで、
公式ページにあるのに名古屋では見られないものがけっこうあったのは残念。

帰りに芳光のわらびもちをお土産にする。
噂にはよく聞くが初めての芳光。
名古屋風わらびもちの元祖と聞くとおり、柔らかめの餅生地が薄く、
中の餡がたっぷりと入ってて液体のように溶ける。美味しい。
川口屋のわらびもちも美味しいが芳光も好き。


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自転車に乗り始めた。
前に巻爪をやって以来、治ったあともそのまま遠ざかってたが
再び乗り出すとやはり気持ちいい。

アイウェアはインナーレンズを付けられるタイプだが、
インナーを一点で支えるポイントが破損してレンズを使えなくなってから、
コンタクトレンズをつけるようにしてた。

しかしどうもコンタクトは目に負担を感じる。
度付きのアイウェアはいくらぐらいでできるのかと
名古屋の街をうろついてたらスポーツグラス専門店が栄にあると知った。
オシャレな店内に入るとさっそく店員氏がやってくるので
「自転車用」「度付き」「インナーは嫌」「いくらぐらい」と
オーダーを並べて尋ねたら松竹梅で価格クラスを教えてくれた。
松が10万、竹が5~6万、梅が3万、とのことだった。

竹がオークリーで、そんなもので作れるなら、前向きに考えてしまいそう。
注文から完成まで一ヶ月ぐらいかかるらしいので、
手持ちのワンデーコンタクトを使い切る前に決断しよう。


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「モリのいる場所」を観に行く。
史実的ドキュメンタリーではなく、
熊谷守一の数あるエピソードからエッセンスを取り出して
スケッチにまとめあげたようなセミフィクション。
だけどそれがモリのシンプルな一日の流れにまとまってる不思議な映画。
モリの絵みたいだ。

エンドクレジットにCGアーティストの名が並んでいて確信したが
庭に棲む動物たち、あれは結構CGが混じってたんだなと。
蝶の演技などの、実写だけじゃ説明がつかない点もガッテンした。
もちろん悪い意味じゃない。あれだけ自然に溶け込むCGも
いまや当たり前に見られる、とても良い時代だと感心した。
一部の動物で首をかしげる動きもあったけど、とても満足。

20180604追記:えっ!!ごめんなさい、勘違いしてました。すごい!




音楽は牛尾憲輔。氏のインタビューはとても面白いので
それを読みたくてパンフを買ったが、掲載されておらず残念。
agraph公式サイトで紹介されてるWebインタビューを読んだが、
作品との接し方や作り方など、読み応えはさすがだった。
沖田監督からのオファーは聲の形がきっかけだったとか。
あの映画も蝶が印象的だった。
サントラは配信限定だが、ボーナストラックとして
エンドクレジット曲のロングバージョンが収録、これが28分の大作。
また見たい映画だ。



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仕事に疲れた妻がケーキバイキングを所望するので不二家へ行く。
従来のケーキバイキングに加えて、パフェやあんみつも注文できる
スイーツバイキングが選べるようになっていて、妻はそれにチャレンジ。
私はビーフシチューとサラダ、ケーキ一つとドリンクバーで妻を見物。


普通の食べ物だと、満腹感を感じるまで詰め込んで
ようやくお腹いっぱいだと脳が判断するが、
甘いものばかり食べてるときはちょっと違う。
満腹でもないのに、食べ物が喉を通らなくなるのだ。

かつて同じ不二家にいったとき、
ケーキバイキングを注文したと思しき見知らぬお姉さんが、
タルトの部分を升目状に、細かく切り刻んでたのを見た。
私自身も一度だけチャレンジしたが、
甘いものならいくらでも食べれて楽勝楽勝!と思ってた自分が
いかに甘い考えだったのか、叩きつけられるのだ。
フォークが止まり、眼の前のケーキが食べ物と思えなくなる。

あれはリカンベントやパナソニックロデオに初めてまたがったときに、
なんでこれが乗りこなせないのか、身体で理解する瞬間に似てた。
今回の妻も、私のシチューの器についた残り部分を舐めてたが、
その気持ち嫌になるほど分かる…。


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肉が食べたかったので、実家の庭で一人バーベキュー。
まずは道具の確認と火熾し訓練を兼ねて、
実家のバーベキューセットをかき集めて揃え、
掃除してから実際に炭を熾して片付け。

日を改めて、足りない道具と食材を用意してから
再び実家の庭を借り切って、午前中からスタート。
前半はコストコで調達した肩ロースの塊と長ネギ、
スーパーで安売りしてた練り物などを2時間ほど炭で焼く。



それを食べ終わったら炭火を片付け、
燻製したいものを網に並べてフタして燻製を作る。
2回転させてまったり4時間ぐらいか、後片付けするころには夕方だった。
燻製中は読書が捗るのでこういうのも楽しい。
読み物チョイスしてまたやりたい。



ノウハウを積むためのトライアル&エラーを兼ねてたので
反省点もいろいろとわかった。以下覚え書き。

・肉の大きさはステーキサイズぐらいで充分
・冷蔵庫で余ってるものを炙ると美味い
・コストコのハーブ入り生ソーセージを燻製にすると美味いらしい
・燻製するときは前半のバーベキューで出た灰を捨てる
・温燻はコンロの温度をしっかり下げてからスモークブロックだけ燃やす
・スモークブロックの真上に食品を置くと熱で焦げる
・燻製が終わったら風に晒して粗熱と湿気を飛ばしてから袋詰
・さけるチーズは温燻で少し形が変わるくらい
・卵の燻製は塩水につけて下味をつける
・たくあんなどの水分が多い食品はピチットシートなどで脱水すると良さげ
・温燻は2時間かかる
・コンロが暖かく煙が漏れ出てるときはウッドが燃えてる証拠フタを開けない
・バーベキュー用品は実家に大体揃ってる







2018年5月13日日曜日

京都国立博物館「池大雅 天衣無縫の旅の画家」と京都御所参観


京都国立博物館「池大雅 天衣無縫の旅の画家」に行った。
年間スケジュールやチラシなどで開催概要は知っていたが、
地味な印象が先立っていたのでスルーしてた展覧会だ。

「南画の大成者」として名高いが、現代の日本では
応挙や若冲ほどのネームバリューがない大雅。
GW明けに組まれてたニコニコ生放送特集を見てたら
「生で見てみたいなー」と興味をそそられたので日帰りしてきた。

これまで文人画や南画といったジャンルのものを眺める機会は少なく、
見た目に鮮やかな応挙や若冲、インパクトの塊のような蕭白や芦雪と比べれば、
地味で古典的なイメージであり、また、当時の権威である狩野派とも違う、
文化層特有の細々しさを感じて、面白みがあまり分からなかった。
しかし、生で見て感じたのは、絵画だけではなく、
書と合わせて、または書そのものが魅力的であった。

穏やかで、示唆に富んで、画題も知識階級の嗜みとも言える
中国の詩や中国絵画を真っ向から受け止めてるものが中心でありながら、
西洋画技法の空気遠近法や印象派を思わせる点描、
時には大胆な構図の作品も散りばめられて、
宗達や光琳の影響も伺わせるような描画スタイル、
古典的な水墨画を自己研鑽して描く日本の風景。
そしてとにかく巧くて自在な書跡。
なるほど、大雅が長年愛されてきた理由が少し理解できた気もする。



邪推だが、先の国宝展に池大雅作品が出品されてたら
ゲップが出るほど豪華絢爛な国宝の中で、
さほど目にも止まらず素通りしてたかも知れない。
大回顧展だからこそ、大雅の人となりや繊細な作品を
堪能できた感じが残る。

美術展に行ったら、これ欲しいと思う作品を一つは決めるようにしてるが、
今回は雲がかった富士から覗く山肌が少しやらしい
「白糸瀑布真景図」が気になった。「東山清音帖」も欲しい。
書では「唐詩五体書画帖」を部屋の壁に飾りたい。


時間が余ったので、京都御所も参観してきた。
御所といえば、参観するには申し込みをしなければならないイメージだったが、
数年前から通年公開してるとは知らなかった。
庭園は一本一本の木に至るまで手が入ってるし、
檜皮葺の屋根は美しいし、なんといってもお内裏様のプレミア感。





建物自体は幕末に造られたばかりとはいうけども、
光源氏の世界を今も残す風景には、さすがに息を呑む。
尖った美しさや衝撃は少ないけど、王道とはこんな感じなのかと見せつける。
やはり宮内庁所轄の御殿や庭園は一通り見ておきたいな。


後追いが感じることではあるが、昨今の日本美術ブームの牽引者として
赤瀬川原平・山下裕二「日本美術応援団」の役目は大きいと思うが、
彼らの見立て方は権威と対するアンチテーゼ的に
日本美術の裾野を広げ見て、市井の名作を発掘してきた点を感じる。
それはつまり、権威や王道にも精通してるからこそ養われる視点だ。

しかし、昨今の日本美術ブームはその基本を脇に追いやり、
派手な面や尖った点にスポットライトを当て、
見た目に面白いものばかり目立たせてる気もする。

もちろんそちらの方が入り口としては取っ付きやすいが、
入り口をくぐり日本美術の面白さが分かってきた身として、
その先の南画や日本建築、戦中戦後の現代アートにも興味を持ち、
折にふれて生で見て、自分視点の好き嫌いを決めていこう。