春先からずっと楽しみにしてた企画展で
最寄りの地方へと来るのを楽しみにしていた。
宮川香山といえば代名詞にもなっている「高浮彫」。
会場に入ってすぐの展示室から香山が手がけた高浮彫の銘品が
これでもかと言わんばかりに並べられていて
揚げ物が続く大盛り料理店のような胸焼けを感じたが、
別室に移ると釉下彩という技法で色付された磁器の品の良い作品も並んでおり、
メリハリの効いた展示構成となっていた。
呼び物でもある猫や蟹の高浮彫はもとより、
鳥と花の造形描写には目を見張った。
古来から日本画の中でも花鳥画は数多く描かれており、
それだけ描写技術が洗練されていたためなのか、
それらの立体化への執念と卓越した造形技術を見物するだけでも価値があった。
客層が普段行く企画展とは若干異なっていたのは興味深かった。
平日の昼間とは言え、地元の高齢者が目立ったのだ。
漏れ聞こえる会話に耳をすますと、
陶芸を趣味とする客が多く、教室の先生に
「これは良い展覧会だから」と勧められて来たという人もいた。
地元の作家の展覧会と思ってたとの発言も耳にしたのが、
さすがというかなんというか、焼き物の街らしいと言えば良いのか。
図録は三会場共通のもので、見本を眺めたら
瀬戸会場では陳列されてない展示物をちらほら見かける。
会期中の展示替えによるものではなく、
展示リストによると東京会場のみ・大阪会場のみと注釈されていた。
少し残念だが、瀬戸会場は公共施設だからなのか、
入場料がお値打ちだったのはありがたかった。
ただ、グッズも三会場で売られていたためなのか、
すでに売り切れのものが目立った。
代表作「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒蓋付水指」の猫を模したストラップを
自分用に購入、キーホルダーにつけてみた。
あの化け猫チックで愛嬌ある猫の雰囲気が良く移されてて可愛い。
しばらくこいつと仲良くしていこう。