2017年12月28日木曜日

去る酉、往く師走

前回の日記以来、年内のイベントにもケリがついてしまい、
休みも少ないながらも平凡な日々を暮らしてる。
年末年始はゆっくりできるかと思ってたら最後の週に
とんでもないどんでん返しが起こり、忘年会もキャンセルする始末。
年明けまで働き詰めになりそうだ。
最後の休日にこの秋と冬を振り返る。



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眠れない夜のおまじまい、最近の流行りはドライブだ。
布団に潜り目をとじても眠れないなら、頭の中でエンジンかけて
よく知ってる道を、なるべく克明に、どこまで走れるか。
近所の自動車専用道までは行けるが、
その先の高速道に乗るころまでには大抵眠りに落ちている。
京都まで出かけるつもりでやってるのだが県外にすら出られやしない。

なかなか良い暗示を見つけたと満足してるが、
いつか賀茂大橋まで辿り着けるほどのキツい不眠に遭いそうな気もする。
しかし、少し前まではこんな必要もないくらい
あっという間に眠れてたのにね。


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祖母が亡くなった。
母の母なので我々兄弟も大きくなるまで
こちらの家を訪ねたりあちらに伺ったりと、よく面倒を見てもらったものだ。
なかなか頑固というか、子供の話を聞かず
自分で話してばかりだったからあまり得意ではなかったが、
まだ珍しかったカップ焼きそばを作ってくれたとき、
湯切り前にソースを入れちゃって薄味の茹でそばが出来てしまい、
バツの悪そうな表情をしてた祖母の顔はよく覚えてる。

成長すると祖母が暮らす叔父一家との親戚づきあいも減り、
晩年は耳も遠くなった上に補聴器も合わなかったらしく
ますます話す機会も減ったが、
会う度に祖母の体つきが小さくなっていった印象はある。

連れ合いを早くに亡くし、私が物心ついたときには未亡人だった祖母だが
母や叔父を育ててた頃や、その前の青春時代はどんな人だったのだろうか。
葬式にも参列した大叔父(母や叔父と年齢が近い)が
「姉は激動の時代を生きた人だからなあ」と呟いてたのが忘れられない。
昭和と平成のほぼすべてを歩んだ人だった。


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Netflixに加入した。
最近の動画配信サービスのユーザーインターフェースは軽くなったものだ。
非力なスペックで組んだテレビ直結の録画サーバでも
過不足ない視聴が可能と来たもんだ。
しかも過去視聴動画も、見たところまでを記憶してて
次に再生する時はデフォルトでそこからスタート。
見たいところまでダラダラ見て続きを放ったらかしてる動画が
リストになっていくつも並んでる。

記録はアカウント管理なのでテレビの方の録画サーバでも
メイン使いのPCの方でも同じ環境を得られてるし
たぶんタブレットのアプリを使っても同様なのだろう。
家族用にいくつもアカウントを管理できるようだし
課金制動画配信サービスの洗練されっぷりに翻弄されてる。

どっちかといえばレンタルショップにないような
半端映画が見たいと思ってる人間だし
試しに検索したら興味ある映画がいくつかヒットするし
入ってるアニメやドラマも割りと好みの傾向に合ってそうだ。
なんとなく加入したのでお試し期間が終わったらどうしようか悩んでるが
月額引き落としじゃなくてコンビニPOSAカードなら続けてもいいかな、とか
あーだこーだ考えてる。
しかし国産課金制動画配信サービスの最大手である某動画って
ホントに使いにくいままのシステムだったのね…。
別の選択肢に触れて実感した。そりゃユーザー怒るわ。


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カリフォルニア米が我が家にやってきた。
コストコで安く売られるようになったからだが
炊きたての香りが微妙にクセある以外はとても美味しい。
5kgで998円だったっけ。何だその値段。
心情的には国産米を応援したい気持ちはあるが家計的には心が揺らぐ。


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名古屋駅によもだそばがオープンすると聞いたのは12月に入ってからだろうか。
友人のリツイートで知ったが、立ち食いそばは正直あまり食べたことなかった。
しかしこの店はそばとインドカレーで有名らしい。
気になったので試しに食べてきた。すげー美味しかった。
そばもカレーも気に入った。
とくにカレーの方はこんな値段で出して良いんだろうか。
名古屋駅地下街のスパイシーなチキンカレーは一杯700円なのに、
こっちは半カレーまであるなんて。
これからはついついこっちを選んでしまいそう。


よもだそば名古屋うまいもん通り広小路口店 開店日 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA


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なんとなく呟くのと苑を休んでる。
やらなきゃと抱えるとしんどいので、そのうちゆとりが湧いたら取り掛かろう。
苑の方は更新材料の記録だけはしとかないと。それでは良いお年を。



2017年10月31日火曜日

10月のあれこれ

先月の不調に比べれば今月は各所に出かけられた。
もっとも、どれも数か月前に予定を決めた用事をこなしたというのが
実情という面はあるが、それはそれとしてどれも楽しいひと時だった。


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6日は平沢進ライブを見に東京の新木場へ、
3月の平沢FC主催ライブ以来の上京である。

羽田から築地へ向かって早めの昼食を魚がし横丁:天房で摂り、
地下鉄を乗り継いで千駄木でせんべいを調達。
そのまま宿泊先に移動してチェックインと同時に休憩就寝。
あとは雨の中、ライブ会場へ行ってライブ観覧。

終了後は仲間内で集い、新橋のタイ料理屋:タイ象で打ち上げ。
ラストオーダーで解散し宿泊先へ戻り、翌朝6時には出発して新幹線。
という慌ただしさだった。
前回3月のときも日帰りだったし、このところの上京は
用事だけ済ませて遊ぶ機会が少なくなってしまった。
次は連休を取ってもっとゆっくり東京を楽しみたい。



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18日は京都国立博物館の国宝展を含めた京都大阪旅行。
京都往復の新幹線ツアーチケットで京都に着き、
在来線に乗り換えて梅田の阪神百貨店。
スナックパークはなくなったけどいか焼き屋は健在、
飲食ブースが無いのが寂しい。

大阪でやりたいことがこの時点でなくなったので
淀屋橋から京阪で黄檗に移動。
ご無沙汰のたま木亭で昼食のパンを買い、
向かいの京大宇治キャンパスの芝生を借りて食べる。
たま木亭も美味しいけど今度は持ち帰りにして
キャンパスにある学食で次は食べてみたい。

木幡で途中下車して京アニショップを覗く。
翌週にせまった京アニイベントの告知が眩しい。
宇治も気になったが時間が押し気味だったので出町柳へ。
出町ふたばの餅をお土産に買い込み、鯖寿司を軽くつまもうと思ったが
アーケードの鯖寿司屋は今日もシャッターが降りてた。
一度くらいは食べてみたかった。

京阪を折り返して七条の京博へ、平日にも関わらず国宝展は大賑わい。
それでも午後4時を過ぎれば幾分混雑は緩和されて
閉館間際は余裕のある観覧ができた。
全ての展示が国宝なだけはあって、
書跡→考古→仏画→地獄絵→中世絵画→近世絵画→中国絵画→
彫刻→陶磁→絵巻物→染織→金工→漆工…の順路に従って
眺めてるだけでも見応え満点。どこでも何かは見どころにぶつかる。

全四期に分かれた展示をすべて見るのは流石に無理なので
最も貴重と思われる大徳寺龍光院の曜変天目茶碗が出展される2期を選んだが
前年の鑑定団曜変天目の一件もあって周知されたのか、
展示ボックスは黒山の人だかり。
台の高さも結構あり、見るのに苦労してたお子さんも何人か見かけた。
曜変天目茶碗の中でも大徳寺龍光院のものは基本的に非公開
(今回は十数年ぶりの公開)で記録写真もあまり残っていないが、
碗の中で曜変の具合が偏っていて、ある角度からは瑠璃色が強く輝き
また別の角度からは白い星が強く目立ち見ごたえがある。

よく知ってるメジャーどころも写真の印象とはやはり違い、
立体感やサイズ感など、本物を生で見るのは勉強になると改めて思うし、
自分が疎くて知らないジャンルについては発見感覚で楽しめた。
信貴山縁起絵巻や病草紙は目からウロコ、最澄や空海の筆も必見、
時雨螺鈿鞍や七条刺納袈裟は職人の仕事が凄い。
昼下がりから日が沈む閉館時間までたっぷりと見られて眼福だった。




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24日は名古屋の愛知県美術館で開催されている長沢芦雪展。
会場に向かう前に伏見のマイペンライで昼食。
カオマンガイトードを食べたが普通のカオマンガイに軍配が上がるか。
妻はカオソーイ、そちらは安定の美味しさだった。
カオマンガイとカオソーイのハーフアンドハーフが欲しい。

日本美術に興味を持ち始めた頃に開催の噂を聞きつけて
ずっと楽しみにしてた長沢芦雪展。
串本に旅行がてら無量寺を拝観しようとまで思ってた
虎図襖と龍図襖が方丈での襖配置まで再現して名古屋で見られる機会は
逃す訳にはいかない。

会場に展示された芦雪の絵を一回り見た感想は、
とにかく達者な絵描きが、神経集中して挑んだであろう大作や
表現を崩したり時には即興で描いたようなものが一堂に会しており、
人間:長沢芦雪の人となりが浮かび上がってくるかの印象。
大傑作とライブ感重視の落書きが共存してた気がする。
ハイクオリティなレベルの前提で玉石混交してて
「これは凄い」「こっちはそんなにでもない」など、
自分の基準で選り好みできる展覧会といえるかも。

そんな中でも抽象画スレスレな作品はド迫力なものが多かった。
目玉としても紹介されてる「群猿図屏風」だけでなく、
直線ばかりで描かれた鯉の滝登り「瀑布登鯉図」や
「絵変わり図屏風」の鯨絵、描写は写実だけど演出は奇抜な「牛図」など。
ひと目で心奪われる思いだった。

芦雪の絵をまとめて見ると同じ題材や構図を
手を替え品を替えて何度も描き残してるような印象を受ける。
そんな中でもインスタ映えする写真みたいな
妙なリアルさがある「寒山拾得図」と
デフォルメ蛙が可愛い「蛙の相撲図」が酷似の構図と
気づいたときには思わず膝を叩いた。

晩年(と言っても40代半ばだけど)の
落ち着いた画風の中にも超縦長の奇抜な構図があったり、
とにかく絵を描くのと、それを見た人々の反応を観察するのが大好きな
パフォーマーだったんだろうか。
「どうだ驚いたか?」と顔に出してそうなタイプ。
そして動物とおっさんが大好きなおっさん。きっと女性は苦手だ。

もう一回分、前売券を買っておいて良かった。行動圏内での開催に感謝。
秋は西の国宝展と東の運慶展に話題が集中してるけど、
東京や京都大阪での開催だったらもっと話題になってる気がする。
長沢芦雪ブーム来るんじゃないかな。来るといいな。






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30日の今池TOKUZOでの寒空はだか、遠峰あこ、ナオユキ、かんのとしこ
「蛇腹と捧腹 東西競演」もとても気になったが
そこに向かえるほど回復してなかったのがかえすがえすも残念。
8月の記事で書いた、友人の勤める学校の文化祭にも行くことができなかった。
来月はもう少し体力と気力を伸ばして
ビートサーファーズ主催のライブツアーや
名古屋ボストン美術館の鈴木春信展を見に行きたい。

2017年9月14日木曜日

季節の替り目

9月に入ってこっち、休日はずっと寝転んでる。
枕元のお供は本棚に立てかけてる読み古しの本か、図書館で見かけた本か、
もしくはタブレットで眺めるYouTubeのレトロゲーム動画ではあるが、
ともかく、なんとなく指先に触れたものをぼんやり眺めては寝入ってる。

新しいものを吸収して何かに活かせればという意図もなく
ただのヒマつぶしとして眺めてるのが実情だが、
思えばここ数年はこんな風に寝転がって何かを読んだりすることも
あまりしていなかったと実感する。

気ぜわしい世間から目を背けてるようでどことなく後ろめたさも感じるも、
これは休み方として正しいのかもしんない。
ごろごろん。




2017年8月10日木曜日

出でよ分岐マニア

中学校の教師をしている幼なじみから連絡があった。
「文化祭の外部招聘で落語家を呼びたいがどうすればいいのか?」

その友人も結構な落語好きで、年に一度ぐらいは
家族で名古屋の落語祭を見に行くほどではあるが、
仕事場でそんな話題を口にしてたら「子供達に伝統文化をナンタラカンタラ」と
どうやら白羽の矢が立ってしまった模様。

友人は仕事場での無茶振りに困っていたが
落語好きにとっては、こんな羨ましい話は早々ないので
落語家への依頼方法や高座の設え方などのノウハウがまとまったサイトを紹介し、
さらにお節介ついでに、自分が見た中で楽しい印象が残ってて、
かつ予算に見合いそうな落語家や芸人を何人か伝えた。

それから半月ほど経って友人より経過報告。
その中の一人と話が進んでおり、その方で落ち着きそうとのこと。
いいなー、こんな片田舎の学祭に呼べるなんて
どんな高座になるかちょっと見てみたいな。
学校寄席ってなかなか見る機会なんて無いし。


自分自身のことを振り返ると、中学の学祭はまったく覚えてないが、
高校の方の外部招聘はいくつか記憶に残ってる。
3年周期で演劇・伝統芸能・音楽の各分野から招聘して
それらの出し物を学校の講堂で観覧するスタイルだった。

演劇は現代劇、伝統芸能は落語と紙切り
(誰が招聘されたのか覚えてないのが残念)
ここまでは普通にありがちだが、音楽が一味違った。
管楽や弦楽などではなくシンセサイザーバンドだったのだ。

もちろん、時代が時代だったので、アナログシンセは駆逐されており
小室世代直撃のデジタルシンセ山盛り編成だったが
そんな中で「シンセサイザーと言えばこの曲を忘れちゃいけません」
みたいな前フリから演奏された曲が、人生の分岐を切り替えた。
高校時代よりずっと前の、小学校の運動会で散々流れてて
記憶の片隅に刻み込まれてた曲、ライディーンだった。

そのときにはっきりとYMOが初めて意識付けられて、ほどなくCDを購入。
しかし収録曲が多いからと手を出したのが
当時出回ってたリミックスアルバムでコレジャナイ体験をしつつ、
まともなベスト盤(SEALED)を買うまでに世の中の厳しさを学んだのも
良い思い出。

そしてもっとYMOに詳しくなりたいと、
本屋で雑誌や書籍を買い漁ったうちの一冊がソニー・マガジンズから出版された
「ピコ・エンタテインメント」のVol.1だった。
あのムックがなければP-MODELに興味を示すことはなかっただろうから、
高校の学祭のあのライブ演奏から巡り巡って
今の自分に行き着いたのは間違いない気がする。


友人の中学校での文化祭で、私がお薦めした芸人の芸を生で見て
それがきっかけで伝統芸能趣味に走ったり、
ことによってはその道を目指す学生が現れたら、それはそれで楽しいなあ。
なにが人生の分岐点になるかなんて、分かったもんじゃない。




2017年6月20日火曜日

籠もる水無月

正直な話、先々月ぐらいから続いた物入りや遊びのせいで金欠だ。
無い袖は振れないので、ここのところの休日は地味に暮らしてる。


先月のオーケストラ鑑賞をきっかけに再開した艦これ。
課金要素もあまりなく、レベリングから任務遂行に遠征資源調達まで、
それぞれの作業に対する効果も如実に得られ、ヒマつぶしにはうってつけだ。
ただしゲームだけあって、時間はとびきり潰せるが
よそ事に手が回らないほど潰れすぎるきらいがある。

リアル時間を艦隊運用の資源へと変換するゲームなので
PCを立ち上げたときに常駐させてタイマーをしかけ、
別作業の合間に呼ばれたらお世話するぐらいの関わりが普段は都合良さそう。
あ、これ、たまごっちだ。


藻が繁茂して放置気味だったベランダのメダカ水槽。
見かねた妻がテデトール投与で藻を片づけてくれた。感謝と反省。
それ以来、まめにメダカ水槽を覗いてたら卵を産んだメスを見かけたので
試しにフチについてる藻をザルで掬って指で探ると
ちょっとやそっとでは潰れない硬めの卵がいくつか。
よく見ると眼や背骨が確認できるのもある。
100均グッズで稚魚隔離部屋を設え、卵を掬ってそちらに移動。
今朝には二匹ほど孵化してた。あと何匹孵るだろか。
ちょっと血が濃くなりそうだから
稚魚が育った頃合いで新しいメダカを導入しよう。


録り貯めたテレビ番組や相次いで届いたBDやCDを順繰りに消化中。
KRAFTWERKの3-D THE CATALOGUEは
4Blu-ray+BOOKセットと8CDセットを入手、どちらも英語版。
かなり安めの値段だった海外通販も一瞬考えたが、
手間を惜しんでる間に値段も高騰したので結局、日本Amazonで注文した。
パッケージやら中身やら、いかにもドイツ気質な感じでホッとする。
中身は2010年代のライブアレンジ音源をオーディエンス歓声抜きで
8つのアルバム全曲をすべて収録し直したとのこと。
MVと言って差し支えないようなスクリーン投影映像盤と
ライブ映像盤の2パターンを完全収録してるのが、
流石というかなんというか。

映画聲の形のBlu-rayも到着。
アニメ円盤につきものの店舗別オリジナル特典だが、
完全録り下ろしオリジナルサウンドトラックに惹かれて
ポニーキャニオン通販で購入した。
この、サウンドトラック“inner silence”が、まあ凄かった。
どういう音源なのかは牛尾憲輔氏がFACEBOOKで
つまびらかに解説されてるのでリンク掲載。
 
2時間強にわたって鳴り響くピアノの音色と囁くようなアンビエント音響。
何かのインタビューで読んだ映画劇伴の初期コンセプトとして
とてもストイックに叙事的に流れ続ける。
これだけでは難解だが、映画本編を隅から隅まで覚え込んだ
コアなマニア向けに一度くらいは“inner silence”版を
上映してくれないものか……と思っていたら
立川シネマシティが一度限りの
「映画 聲の形“inner silence”極音上映」を実現してくれた。

「映画 聲の形 “inner silence” 極音上映」 開催決定!

これが笑っちゃうくらいの瞬速で完売。すごいなー。
ぜひとも大垣あたりで再上映してほしい。

貯まってたブラタモリ録画もぼちぼちと消化。
リトルウィッチアカデミアはいよいよクライマックス。
今年も半分過ぎ行きて夏が駆け足でやって来る。


2017年5月13日土曜日

「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ
【Grand Fleet Tour 2017】名古屋 昼公演

「艦これ」と言えば泣く子も黙るブラウザゲームの雄。
私も二年間ほど、毎日のように起動して提督業に勤しんでたが、
去年の夏イベントでアクィラ掘りに失敗して以来、足が遠のいた。
だって日々の備蓄作業がしんどいもん。
資材を貯めないとイベントで新艦娘を掘れないし。


ゲームこそやらないものの、艦これ自体が嫌いになったわけじゃないので
毎日流れてくる情報やまとめサイトに目を通していたら
艦これ公式オーケストラコンサート全国ツアー決定とのニュース。
題して「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ【Grand Fleet Tour 2017】
去年は春に東京、秋に大阪でそれぞれ行われたのは記憶に新しいが、
今年は全国六都市+台北で公演とのこと。規模でかいなあ。

名古屋は愛知芸術劇場コンサートホールで催されるとのことで、
芸文センターの上(県美)と下(小ホール+アートショップ)には
何度も通ったものの、縁遠かった真ん中に入る良い機会。
それにオーケストラ演奏にも興味あるし、
ブラウザゲームではダントツに爽快に気持ち良い市場が形成された、
幸せな経済が回ってるコンテンツだし
とても楽しいひとときが過ごせるに違いない、
なにより単純に艦これ好きだし。

去年の公演はチケット入手も困難とのことだったが
先行予約で難なく入手できて一安心。
ちゃんと本格的なコンサートらしくドレスコードもあり
スマートカジュアルもしくは平服指定に従い、
ジャケットとパンツを新調して準備を整えて会場入りした。


艦これは好きだがそんなに入れ込まず付き合ってきたので
数あるBGMの曲名もほとんど記憶しておらず、
馴染みある曲と知らない曲の割合も半々ぐらいだったか、
それだけに新鮮に楽団の演奏模様も目の当たりにできた。
ゲーム上ではループに耐えられる作りをされている曲も
コンサート用に構成に富んだアレンジが施されており、
ゲーム音楽だけあって熱い曲調もあれば、時にはしんみり聞かせる場面もあり、
悲劇的な背景を偲ばせる楽曲で会場が密やかな空間に包まれれば、
慣れ親しんだ我が家のような居心地の曲も流れ、
中盤の艦娘音頭では場内一体の手拍子が囃された。
各場面の度にどっぷりと艦これの世界に浸っていたあの頃を思い出す。
沁みる曲ばかりで心地良い。


オーケストラのフル演奏を体験するのは初めてだったが
コンダクター竹本泰蔵氏の情熱的な指揮が
いかんなく発揮されて、演奏風景まで見応えあった。
終了後の評判をTwitter検索しても
これまでの諸公演と比べてもピカイチという内容が多く
自分が会場で生で受けた感想も的外れではなかったとホッとする。
客席からの拍手もとても情熱的なものばかりだった。
オーケストラ鑑賞も追っかけると面白そうだ。
なにはともあれ、「行って良かった!」と素直に感動できる
良質なコンサートであり、同時に楽しい艦これ公式イベントでもあった。


会場ではツアーグッズが数種類発売されてたが、
紙モノが好きな者としてはパンフレットがなかったのは少し残念。
去年のオーケストラライブCDが公式通販されてるのは少し気になる。
前説などの会場MCは名古屋では由良が担当しており、
終了を告げる後説では来るべき更なる改装にも触れられていた。

そろそろ実生活に支障ない程度で提督業に復帰しようかなあ、と
なんとなく決意する一日だった。
しかしこんなに長いこと放置しといたから、うちの鎮守府の子達が怒ってそうだ。
まずは春イベを行けるところまで行って、お次は由良を育てようかな。
(2017.05.20:追記 Гангутお迎え完了、E5Bで由良+新艦レベリング中)


本日の演奏曲目をまとめてくださったツイートを転載。


※前段作戦 「邂逅」の前に、カルメン 「間奏曲」 (アラゴネーズ)
※※後段作戦 「特型駆逐艦」の前に、G線上のアリア
※※※「武蔵の帰投」で本編終了、アンコールとして「昼戦」以下4曲


2017年4月24日月曜日

お伊勢さん菓子博2017

お伊勢さん菓子博2017に行った。
菓子好きで、博覧会も大好きという種類の人間にとっては
堪えられないイベントである。

去年ぐらいからだったか、生活圏の端々で
笠をかぶって串団子を手にした白犬のマスコットキャラ
「いせわんこ」を目にする機会が多くなった。
調べてみると伊勢で菓子の博覧会「全国菓子大博覧会」が催されるらしい。
今年で27回目で正式名称は「第27回全国菓子大博覧会・三重」だとか。

さらに調べると菓子博は明治時代に始まった歴史ある博覧会で、
約4年に一度、地方自治体持ち回りで開催され、
近年は客寄せのためにエキスポ的な要素も取り入れられた
イベントになっているとのことだ。
町の老舗の和菓子屋にうやうやしく表彰状が掲げられてるのは
この博覧会で行われる品評会の賞状らしい。


これまでの開催地をさかのぼると、
行動範囲内で開催される機会はなかなか珍しい様子。
菓子博のチケットは博覧会らしく、第一期・第二期前売期間があり、
会期が近づくほどに前売価格が上がるシステム。
うん、愛知万博で学んだ。
幸いにも気づいたのは第一期前売期間ギリギリだったので
早めにチケットゲットした。

そうなると伊勢に行くなら乗りたい乗り物がある。
近鉄の観光特急しまかぜだ。
運行開始から4年経っても人気は健在で、
相変わらず予約開始とともに殆どの指定席は売り切れる始末。
そもそも我が家から伊勢志摩方面は車で行こうと思えば行けるので
こんな機会でもなければそうそうしまかぜ乗車の機会もなさそうだ。


菓子博に行く日を開幕初日の4/21に定めて、しまかぜ指定席の予約も無事完了。
博覧会攻略は下調べが重要と、公式サイトや参加企業サイトをチェックしてると
伊勢の銘菓・赤福が菓子博会場限定として「赤福餅祝盆」で新作白い赤福を提供したり
復刻版赤福を販売するというニュースが飛び込んできた。
これは食うしかないよなー。
しかし入場客のほぼ全てがコレ目当てになるのは間違いなさそう。
赤福ファン多いし。
整理券配布場所と入場ゲートからの道すじのイメージトレーニングを
繰り返し、場内で他に行くべきところを調べて本番当日に備えた。


4/21早朝。名古屋から近鉄特急に乗り、
会場最寄り駅の五十鈴川に着いたのが8時台後半。
そこからシャトルバスに乗り換えて会場直行。
後から聞いた話では会場駐車場は台数が少なく、
あっという間に満車になるらしい。車で行かなくて良かった。

博覧会の鉄則は「他人より早く入場列の場所取り」だ。
初日で情報が全く無く開場待ちの客足が読めないのが気がかりだったが
9時に会場についたときは約100~200人ぐらいの待ち人数。
最前列は取れなかったがかなり前の方の場所が取れ、
ここにいる客のすべてが赤福整理券のシステムを知ってるとは限らないし、
これなら早い時間帯の赤福整理券も取れるだろう。


開幕初日のオープニングセレモニーも
リハーサルから通して見ることができて
名誉総裁である彬子さまのテープカットも拝見した。
ところでこのときにシャッターを連写してたら
Googleフォトが後から彬子さまテープカットアニメを作ってくれたが
これをどうしろというのだGoogle。


10時ちょうどに開場。
それと同時に赤福整理券配布場所を目指す群衆、
と、そこには入り口が二つ。白い赤福と復刻赤福で入り口が分かれてた。
我々は二手に分かれ、それぞれの整理券をゲット。

白い赤福の方は一人二枚整理券をもらえて
復刻赤福は12個入り箱売りしかしないので結果的にはこれが正解だった。
(なお、翌日から白い赤福整理券も一人一枚のみ配布へ変更)
(2017.04.28追記:さらに事態は深刻化し、先着制から抽選制へ変更)

この日最大の目的を果たして、赤福販売場所の脇に設けられた
オープンスペースで白い赤福をさっそく味わってると
テレビや新聞の各メディア取材班が現れた。
呼び物の赤福を食べてる人達に感想を聞いてるようで、
我々もインタビューされたけど、どこかで流れたのかなあ。



血糖値が急上昇するような甘い物を食べた後は場内散策。
前回のひろしま菓子博では一番人気で大行列だった
大手菓子メーカー企業ブースが集う
お菓子にぎわい夢横丁も、まだまだ空いてるようなので
入れそうなブースから順に巡る。出てくるときには
その企業のお菓子サンプルがいくつかもらえるので、
これは人が押し寄せるのも分かる。事実、すぐに満員になってた。

夢横丁とは別に、三重の菓子メーカー三社の
赤福・井村屋・おやつカンパニーが共同ブースを構え、
それぞれプレゼンをしてた。赤福の赤太郎なつかしい。
赤太郎の前はリアルタイム中継をしていて
帰ってきた後もネットに繋いでるときについつい見てしまう。



井村屋といえば、今回の菓子博では会場限定カフェを出展してた。
井村屋のカフェといえばアンナミラーズ。
東海地方には出店しなかったアンミラの衣裳を纏うおねえさんが
伊勢で給仕している姿を見て勝手に胸が熱くなる。
ここで軽食とお茶休憩。
その後はメイン展示の工芸菓子と全国郷土銘菓をゆるゆると見学し、
全国から集められた菓子を買い物できる夢の市で買い物してたら
帰るのに大体ちょうど良い時間。
事前にチェックした目的もほぼ果たせたし、
メイン展示も見どころ多く楽しんだし、実入りも多かった。

翌日以降には新聞や情報バラエティ番組で取り上げられて注目度も上がり、
入場客も如実に増えて、赤福整理券の配布終了時間も
10分単位まで早まっているらしい。
やはり博覧会イベントは早め早めの参加と行動に限る。


帰りは五十鈴川の隣駅である宇治山田からしまかぜに乗車。
マッサージチェアのようなふかふかの革張りソファ席は極上。
最後尾の方のパノラマシートが取れたので絶景を楽しめた。
18時前に名古屋着。もっと乗っていたい。

おみやげで買い逃したお菓子もあり、もう一度行きたい気はするが
そのお菓子を直接、製造元から取り寄せたほうが早いかなあ。
なにはともあれ、満足度の高い小旅行だった。
また近隣で開催されるならば是非遊びに行きたい。


菓子博についての書物のリンクを貼ろうとしたらまったく見つけられなかったのは残念。
歴史とか菓子業界への影響力とかまとめたら面白そうなのに。



2017年4月11日火曜日

春は来る

日々の忙しさにかまけてたら桜の季節も半ばを過ぎてた。
冬から春までの出来事を駆け足で書き留め。
写真は後からおいおい追加するかも。


伊:
名古屋市美術館「永青文庫 日本画の名品」(会期:1/14~2/26)
http://www.chunichi.co.jp/event/eiseibunko/

今年前半に期待してた美術展。
呼び物である菱田春草「黒き猫」は元より、
同じく菱田春草「落葉」や、小林古径「髪」に代表される、
美術の授業の資料集で見かける名画から、
横山大観、下村観山といった大正~昭和初期の巨匠の大作も
数多く陳列されており目にも鮮やかな印象だった。

後半は打って変わって白隠と仙厓の禅画。
白隠のインパクトある筆さばきと、仙厓の脱力した絵姿が好対照だった。
しかし仙厓はどう見ても絵心あるのにずるい画風だよ…。

大物も多く、前後期で結構な点数が入れ替えられたが、
前期のチケット半券を後期開催中に提示すると
当日でも前売券価格で入場できるシステムは好感が持てた。

記念に妻が「黒き猫」の複製画を購入。
特製の額も設えて部屋の片隅に飾られている。


呂:
2月中旬に京都旅行。
長年お世話になっている大阪山奥自転車屋の息子さんが
この春めでたく高専に合格したのでお祝いを携えて
泊りがけで遊びにいったついでに、行き帰りで京都立ち寄り。

行きに永観堂のそばにある日の出うどんで昼食。
カレーうどんの名店で開店と同時にお店が埋まり、
客の注文もほとんどカレーうどん。
私達もご多分に漏れずカレーうどん。うん美味い。
たっぷり小麦粉ながらピリッとスパイシーなカレーに
出汁をしっかり効かせて和風に仕立て、
ネギとお揚げと牛肉の時雨煮、口直しの漬物とご飯のセット。
辛めのスープと甘く炊かれた時雨煮のコントラストが良い感じ。
うどんも上品な柔らかさで美味しかった。また行きたい。

食べ終わったら出町柳へ行き、
ふたばで買った大福をデザートに鴨川を眺めてボンヤリ。
肌寒かったが天気も良くて、スズメにパンくずを与えてたら
ハトやカラス、トンビまで寄ってきて大賑わいだった。

大阪山奥に一泊し、帰り道で細見美術館に寄る。
鈴木其一展が気になったが、疲れもたまってきたのでそれは見ず
アートショップで其一のアヒルがプリントされたトートバッグを買う。
150年以上前に描かれたとは思えないくらいプリティなアヒル。


波:
フィルムスキャンにはまってた。
十数年前に撮った写真のネガがいくつか出てきて、
うちのPCに繋がってる機材で難なくスキャンできるのに気づいたので
機械任せでスキャニング。オートとは思えないほど簡単に
あの頃の写真が蘇ったのでちょっと感動した。
取り込んだ写真もGoogleフォトに同期すれば保管も楽だし
色調補正も備え付けの機能で満足いく仕上がりだし言うことなし。

まだネガは残ってるけど、3月に入ったら忙しくなったので
作業は一時中断。またヒマができたら取り込みたい。


似:
景観する循環カフェ 追加公演。
平沢さんのFCイベントで会員限定のトークショー+スペシャルライブ。
感想というかレポートはこちら。
久しぶりの東京だけど午前中の歯科診療を済ませてからの出発だったので
半日ぐらいしかいなかった。こんなに短い上京は初めてかも。
着いてすぐ万かつサンドを買い、山手線で池袋。
ジュンク堂で催されていた旅するミシン店展示販売で
カラスブックカバーを買い、すぐさま中野へ。
メカノにお邪魔してジョイ・ディビジョンのパロディTシャツを入手して
吉祥寺に向かいイベント参加、終演後に中本で夕食を食べて東京駅でお終い。
ちょっとバタバタだったから次の上京はもうちょっと遊びたい。


帆:
カメラを買った。
ここ数年、ずーっと欲しいなあ、けどニッチだよなあ、と
ぼんやり憧れてたリコーのTHETAをとうとう購入。
去年ようやく、納得行く性能と、手の届く価格の、
釣り合いが取れたモデル(THETA SC)が出たのと、
意外なことに妻がTHETAに興味を示したことが決め手だった。

先ほども出た大阪山奥の自転車屋さんが
私達がお邪魔した後にTHETAのフラッグシップモデルを
購入したとのことで、その後に再び所用で大阪山奥に単身行ったときに
実機と撮影した写真や動画を見て、
こういうことが出来ると実感したのが大きかったようだ。
やっぱり生で見るのはデカいよね。

360°全天球が撮影できるという現象は
実際にシャッターを切ってみるとなかなか画期的で、
今までカメラやスマホを構えたときに意識的、あるいは無意識にしてた
「フレームを切り取る」という意志が不要なのは面白い。
それと同時に「被写体からフレームを切り取る」のが、
いかに創造的な行動なのかも実感できた。

また、スナップショットで辺り一面すべてのものが撮影できるのは
実は意外と大きい革命なのかもしれないとなんとなく思った。
カメラのフレームって案外狭い。
昔の写真の背景に写り込んだ、今では残ってない建物や景色って
記憶を思い出すきっかけになるじゃない。
その場の全ての空気を一瞬で取り込めるのは後から響いてきそう。
大垣、水門川の桜を試し撮り。
大垣、水門川の桜を試し撮り。 - Spherical Image - RICOH THETA

とは言っても自分の写真なんて自分で撮らないから、
普段の自分がいかに仏頂面してるのか突きつけられるのは衝撃的だった。
もうちょっと笑顔を作ろう。

重さも控えめだから持ち歩きにも良さそうだし、
普段からこれで全天球写真を撮って歩こうかなと。
しかし今どきの写真事情は便利になってきてて、
カメラで撮った写真がWi-Fi経由で
カメラ→iPad→Googleフォトに保存されて
保存って点ではこれ以上ないくらい楽になったなあ…。


もう一台買っていて、
普通の写真を撮るのにiPadを構えるのがストレスになってきたので
iPadと自動連携できる防水カメラを探してたら、
ニコンが安価なモデルを出してた。しかもBluetooth接続。
写真を撮ったらその都度繋いで転送するようで
常時繋ぎっぱなしのWi-Fiタイプよりも
バッテリーにも優しそうなのでこれに决めた。
色は派手だしカメラとしてはそれなりの性能っぽいけど
スナップ用と割り切って使いたい。
と思って底値を探ってたら、4月になっていきなり急騰。
アウトドアモデルはこれが怖い。

比較的安値で新品がヤフオクに出てたから落札。
いま取引手続き真っ最中だけど、なんとなく向こうの不手際が目立つので
ちゃんと届くか少し心配してる。評価は二桁後半だからダイジョブとは思うけど
お願いだからトラッキングナンバー教えとくれ。