2018年8月12日日曜日

夏の美術展ラリー

暑いけど篭ってたら終わってしまいそうな美術展をハシゴ。


名古屋市美術館「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」
愛知県美術館が休館中の名古屋にて今年最も注目を集めた展覧会。
東京・福岡と日本観光をするイレーヌ嬢を見てきた。

平日の夕方に入場。
入場券売り場や入り口の物々しさに比べて、客入りは割と静か。
イレーヌと共に飾られるルノワールの作品と、
ドガの踊り子が並ぶ、この展覧会の大一番的な一室も
混み合いもせずに、心ゆくまで眺めていられた。

やっぱりイレーヌは別格。
きめ細かい肌と瞳の美しさ、ぼんやりした髪と衣裳。
イレーヌと踊り子のブロンズ像だけを、
30分ただぼんやり見てるだけでも価値ある展覧会だと思う。
それとロートレックのコンフェッティが
ラフ画きわきわだけど見てるだけで幸せになれた。
その他は、この三点の引き立て役と位置づけた。
イレーヌだけは見といて絶対に損しないよ。


地下一階の常設展も間に合ったので、そちらも見る。
いきなり入ってすぐに、
赤瀬川原平の零円札と模型千円札が掲げられてて、
心臓が飛び出そうになる。
「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」から続く、
千円札裁判に名を連ねる作品群じゃないですかー。

10月からの企画展は市美30周年記念展ベストセレクションで、
復讐の形態学も出品されるらしいので楽しみ。
押収品の模型千円札梱包作品(カバン)も出ると嬉しい。超期待。


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岐阜県美術館「さよなら、再会をこころに。所蔵名品展」
こちらの県美もリノベーションで約1年間閉館するとのこと。
お休み前の見納めとしての特選コレクション展。
山本芳翠の浦島図は一度見ておきたいので行ってきた。

日本画+日本洋画→工芸→再び日本画+日本洋画→
ルドン→洋画→現代アートや抽象画、といった構成で、
入ってすぐの一室目がのっけからクライマックスだった。

お目当ての浦島図、熊谷守一の蝋燭、
岸田劉生の自画像、川合玉堂の大作などなど。
通り過ぎた後にも何度も戻って見に来てしまう勢い。
浦島図、ほんとに悪夢みたい。発色良いし、描写も狂おしいほど細かい。
モチーフから構図まで和洋折衷でこれだけで木戸銭の価値あり。
玉舎春輝「貴妃追夢」も鷹揚な感じの女性が雰囲気ある。
大阪市美術館で見て記憶に新しい長原孝太郎の作品もあったし。

次室以降も見応えあり、東京で大盛況だった
熊谷守一展にも出てた作品が何点か、再び見れたのはお得だった。
前田青邨「ラ・プランセス」は
膨よかな横顔の貴婦人の筆運びがとにかく丁寧で細かく、
素人目に見ても金と手間のかかったタッチで描かれており、
誰がモデルなのか気になったが、
後で調べたら高松宮妃とのことで。あああ納得。

ルドン以降の洋画は版画が多くて、
目を惹くものもあったが、ふーんなるほどねーという印象。
その中でもルノワールの泉と藤田嗣治の猫は良かったなあ。
後の方は印象が薄かったかも。前半がとても楽しかったから大満足。
気になった点数はビュールレより、こちらの方が多かったかも。
これが入場料500円だなんて。岐阜県民みんな行くべし。

お土産は岐阜県美の非公式キャラとなりつつある
「ミュージアムの女」缶バッチ。リノベ明けも戻ってきてほしい。

あとは名古屋ボストン美術館の最終展が気になる。
東京のショーメ展と縄文展も行きたいけど暑くて遠い。

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せっかく岐阜に行ったので、一部で話題になった
岐南町バングラキッチンのビリヤニも食べてきた。
骨付き肉とパラパラのカレーチャーハンが美味しい!







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