2018年10月18日木曜日

Maria del cielo blu

お金の遣い方や回し方を心得ている年上の女性は惚れ惚れする。

「大阪豆ゴハン」「誰も寝てはならぬ」で知られるサライネスさんは
私の中での好例で、「水玉生活」の頃からファンである。
「誰寝」終了記念のコミックナタリーインタビューは
先生の人となりが如何にして形づくられたか、その一端が伺える気がする。

サラ イネス「誰も寝てはならぬ」 - コミックナタリー 特集・インタビュー

サラ イネス「誰も寝てはならぬ」 - 祝・完結! 謎のマンガ家の全貌を明かす キャリア初の17000字ロングインタビュー - コミックナタリー 特集・インタビュー
祝・新連載「ストロベリー」開始。


ブログに目を移すと「東京弁当生活。」の杉森さんや
「キモノの国のエクソダス」のウカ・ヌマエさん
(個人的にはヒグマニア事業部の中の人)が、
実感のこもった経済の回し方と、
それをもとにした随筆で日々楽しませてくれる。
名古屋を中心に定期的に落語会を催される
お席亭のSさんもとても素敵な御方だし、
明らかに年下なので恐縮だが、
彬子女王殿下が書かれる文章の感性も憧れる。


終始しみったれで、趣味にしかお金を使わぬ私からは目の至らぬ視点を持ち、
それでいて、まったく住む世界が違うよな金に浮かれたセレブな世界とも違う、
少しだけ路地が違うスタイリッシュな価値観を
きっぷの良いお姉さん感覚で見せてくれて、なんだか勉強になる。


お金の遣い方を心得てる方は上品だ。
そりゃあ中には下品な人もごまんといるが、
基本的に上品だし、きちんとした教養をお持ちだし、
しかもそれをひけらかさない。身についてる。
「衣食足りて礼節を知る」とは、よく言ったものだと思う。

必死になって習得を目指して、それを勝ち得たなどという価値観でなく、
身についてるものをそのまま纏われてるので、
まあ、なんというか、惚れ惚れするよな自然な立ち振舞だ。
知識のマウンティングとかしないのよね。
オタ気質が染み付いてると、ちょっと知ってることを
ついつい早口で長々語ってしまう。
ツイッターなんかも貧乏性で140字ギリギリまで埋めてしまう。
ほんと、我がふり直さねば。





2018年10月16日火曜日

オンガクカナデル YAMAHA INNOVATION ROAD

10/13に行われた Nanotune.Org 主催イベント
「Nanotune Up!」を見に、浜松に行った。

せっかく浜松へと向かうのなら、ぜひ寄りたいと思っていたところがある。
YAMAHA INNOVATION ROAD だ。

INNOVATION ROAD - ヤマハ株式会社

ヤマハのDNA、現在と未来への挑戦を「見て・聴いて・触れて」体感できる企業ミュージアム。1887年の創業以来、現在にいたる長い歴史と、ヤマハの世界観や魅力を伝え発信し続ける展示施設です。静岡県浜松市、ヤマハ株式会社本社事業所21号館内にオープン。

今年の7月に一般公開が始まったばかりの企業ミュージアムだが、
内覧会に赴いた方から聞いた話によれば、

・Miburi、サイレントチェロ、TENORI-ONをはじめとする
 YAMAHAの歴史をさまざまに彩った楽器の実機展示
・ピアノ、オルガン、シンセ、ギター、ベース、バイオリン、シンドラなど
 豊富な試奏楽器

要予約だけど一見の価値ありとのこと。
同じく、浜松まで来る関東の友人を誘い、YAMAHA本社へと向かうことにした。























…これがまあ、楽しいったらありゃしない。
シンセのつまみを適当にいじったり鍵盤を弾くくらいなら
街の楽器屋でもやらせてくれるけど、山ほどあって楽しい。
ギターをろくに触ってこなかったのを悔やむくらい楽しい。
バイオリンなんて弓を使ってギーと鳴らすだけなのに楽しい。
これでもかと言わんばかりの楽器に囲まれてるの楽しい。
楽しい。

YAMAHA INNOVATION ROAD #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

もちろん、ただの試奏コーナーだけにあらずで。
グランドピアノを例にした、製品に対するものづくりへのこだわりの展示や、
108.6チャンネルと220°ワイドスクリーンの立体音響シアター、
楽器以外のYAMAHA製品の展示やモデルルームなど、魅力的な展示が続く。
その中でも個人的に、コレは特に面白かった!と感じたのが
音響展示エリアでの、ミキシングコンソールを使ったミックス体験。


楽器は遊びで弾いたり叩いたりできるけど、
ミキシングは素材が揃った上での作業だから、素人が触れる機会って少ない。
実際に素材を再生しながら、それを元にリアルタイムにミックスするの、
頭では理解してるけど、実感を伴うことができて、とても新鮮だった。

同じ食材と調味料を用意しても、
それらの調理工程の加減次第で、料理の出来が一変するように、
同じ音源素材でもギターを主役としたギターポップにするのか、
シンセを強調したエレポップに仕立てるか、
はたまた低音強調の野太いサウンドにするか、
高音ばかりのオシャレなシティサウンドを目指すか。


スライダーを動かす指一つで
楽曲があっという間に様変わりするのを実体験して、
膨大なチャンネルの素材をそれぞれ録音してから、
エンジニアのミックス次第でまとめあげ、
ステレオなら2チャンネルまでトラックダウンし、
さらに楽曲ごとのバランスを整えマスタリングするのが
音楽製作なんだなーと、腑に落ちる体験だった。
ミキシング楽しい。


贅沢を言えば、自分の手でミキシングした音源を後で振り返って
帰宅してからも聞けるシステムがあったら、更に嬉しいかも。

入場時に各個人のIDかなにかを振り、
そのIDで2~3曲分、ミキシングコンソールでミックスした音源を
YAMAHA の自社サーバに録音記録する権利かなにかと紐づけ、
当日から1ヶ月ほど自宅のPCやスマホからアクセスして聞けるサービス。
無理かな。
あの場で遊んでそれで終わりなのはもったいない気がする。
それくらい勉強になった。
音楽演奏を志す大阪山奥の駆け出しベーシストを連れていきたい。






もちろんイノベーションロードだけでなく、
昼食のさわやか炭焼きハンバーグ、夕食の浜松餃子オフ会、
朝に寄った巖邑堂の和菓子、そしてライブイベント NanotuneUp!。
どれもがとても楽しかった。
浜松に来たの十数年ぶりだったけど、好きな街がまた増えた。