7月末の公開直後からただならぬ勢いでTwitterで話題に上がった「シン・ゴジラ」。
ネット依存症気味である我が家でも話題になり、
見に行くしかあるまいと近所のシネコンへと向かってIMAXで鑑賞、
見終わった直後に家計からの支出でサントラ購入するほど衝撃を受けた。
その後ほどなく「社会現象」と呼ぶのにふさわしいブームとなり、
一時の喧騒からはようやく落ち着いてきたものの、
その名を目にしない日はいまだに無い。
特撮映画としても政治劇としても邦画としても、
なにより娯楽映画として心底楽しめた映画だった。
鳥肌が立つような映画をスクリーンで見れて良かった。
シン・ゴジラの爆発的ブームが一段落した頃に
入れ違いでTLに登りはじめた「君の名は。」。
タイトルが繰り返し流れてくるようになってから気になり始めたものの、
この映画の事前情報どころか、新海誠監督作品すらも一度も見たことはない。
幾つかの評判に主題歌を歌うバンドとキャストを当てている俳優の話題、
それと景気の良い興行収入のニュースが届くばかりだった。
逆にここまで来たなら、どんな内容なのかなにも知らぬまま見ようかの、と
気負ったまま乗り込んだ映画館。
そこは噂どおりリア充とおよそアニメを見に来ないような若者、
それと熟年夫婦で9割方埋まっていた。平日の真昼間なのに。
いろいろ気になるところや細かく突っ込みたいところも目立つが、
綺麗にまとまった佳作だった。
誰かがどこかで「シン・ゴジラは一刻も早く観にいくべき作品だが、
君の名は。は若いうちに観に行かなければならない作品」と言ってたが
その言葉がすんなり飲み込めるような、青春現代ファンタジーだ。
突っ込みたいところや感想が溢れでてきて
ネタバレ覚悟で誰かと熱く語りたくて仕方ないけど、
そんな野暮よりも話が動き出してからの展開に身を任せて
素直に楽しむのが最善手かもしれない。
しかし、この作品がスマッシュヒットするならば、
細田時かけやたまこラブストーリーももっと高く評価されても、とも思うが、
先達が築いた数々の青春アニメ作品を経て、また数年前と比べても
アニメ・オタク文化が根強く浸透した時代になったからこそ、
ようやく世間とハイパーリンクして花開いたのが「君の名は。」なのかも、と
考えると、それはそれでちょっとようやく気は熟したかと感慨深い。
先日、テレビ録画サーバーのHDDを整理してたら
数年前の正月に放送した新海誠監督作品一挙放送の録画が出てきた。
いつか見ようと思ったまますっかり忘れてたけど、これもそろそろ見頃かな。
この夏が来る前から最も期待してた映画は
ゴジラでも君の名はでもなく、「不思議惑星キン・ザ・ザ」のリバイバル上映だった。
平沢進リスナーなら一度は耳にする旧ソ連グルジア発のSF映画。
日本では昭和の末期にVHSで流通、アンダーグラウンドなカルト人気を得て、
その人気に押されたのか、21世紀を迎えた頃に
ニュープリント・新訳字幕でミニシアター上映とDVDリリース。
…されたまでは良かったが、ほどなくDVDも廃盤。
再び知る人ぞ知るカルト映画になってしまった。
一時期はAmazonのマケプレでもDVDが数万円とか値段がついてたっけ。
それが今年、デジタル・リマスター版が再びミニシアター上映されることとなり
私が暮らす地方にもやってくるというニュースが飛び込んできた。
封切日に行きたかったが仕事スケジュールとうまく噛み合わず、
上映終了間近の平日になってようやく見に行けた。
DVDも持ってはいるが、手元にあるとなかなか見返さないもので
通してみたのは10年ぶりかもっと前かもしれない。
大まかなあらすじは覚えていても中盤以降のエピソードはかなり忘れていた。
前に見た時は全体的に冗長なイメージだったが、
久しぶりにちゃんと見て、覚えてたよりも起伏ある筋書きで
旧ソ連体制の寓意的描写をさておいても
ディストピアSFとしてしっかりと面白い作品だった、と感じたのは収穫だった。
あらかじめあらすじが頭に入ってたから、訳の分からない情報が整理されて
昔に比べて見やすかったというのも、あるかもしれない。
パンフレットの解説が2001年版からの転載ばかりなのがやや残念。
もうちょっと気合を入れて作って欲しかった。
この後も気になる映画がいくつかある。
なんといっても見逃せないのが「聲の形」。
待ちに待ってた山田尚子監督の最新作。
たまこラブストーリーを見た時のショックは忘れられない。
話題になると良いなあ。
もうひとつ。映画館のチラシで初めて知った「築地ワンダーランド」。
閉場目前の築地市場をテーマにしたドキュメンタリー映画とのことで、
予告編からして美味しそう。これは見に行ければ行きたい。
映画の他にも見に行きたい特別展の開催がいくつも待ってるし、
見逃せないライブも迫ってて、この秋も忙しくなりそう。
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