核P-MODEL「回=回」大阪公演を二日間見た。
一言で表すなら、一生自慢できるライブを浴びた。
その心境を、私達の青春と交えて、博物苑のブログへ書いたら、
有難いことに予想以上の反響を得た。
しかし、アレって、過去のことしか書いてない。
現在進行系で凄っげぇ疑似バンドについて、まったく触れてない。
片手落ちだ。
けども、いまさら感想を書いたところで、
あの青春小説の後じゃ、何を付記しても蛇足になる。
というわけで河岸を変えて、忘れぬうちにライブの思い出。
こっちにブログがあってホント助かる。
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今回の二日間は、セットリスト構成を印象深く変えてきたが、
初日の方が果てしなくパーフェクトだった。
ママで爽やかに引っ叩いてから、押して引いて押して引いて、
プシクラオンあたりから怒涛のがぶり寄り、
PLANET-HOMEで叙情感たっぷりに幕を下ろす。
アンコールも白く巨大で・ハリコンと満足感ひたひたにして、
最後の最後にアンチモネシアでチルアウト。
多幸感あふれる構成だった。終わった後に力尽きたくらい。
だけど、その初日の幸せを、二日目ゼブラがかっさらってった。
やーもー持ってかれた持ってかれた。
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家族ぐるみでお世話になってる、大阪山奥自転車屋さん。
そこのご子息を、今回の初日公演に誘った。
三輪車の上にチョコンと腰かけてた幼児の頃から、
かれこれ15年ほどお付き合いするセブンティーンだが、
高専に進学する前後からベースを手にして、
現在は校内バンドをいくつも掛け持つ駆け出しベーシストとのこと。
普段は Suchmos や WONK を愛好する、オシャレ嗜好の好青年だが、
「音楽性の好みが合うか否かはさておいて、
あんなステージングやパフォーマンスするミュージシャン、
他では見れないから、損させないので見においで」…などと、
あれこれ口説いて連れ出したけども。
暗転からステージが照らされ、
ペストマスクの二人組が登場したときは、
「悪いものに誘っちゃったな」と冷や汗かいた。
終演後に感想を聞いたら、
ステージングはやっぱりすごい、
テクノは難しすぎる…と首を傾げてた。
「こんないたいけな好青年をこんなのに連れてくるなんて!」と
一緒にいた友人に冗談半分で嘆かれたが、
彼の音楽人生の中でのスパイス一振りになってくれれば、
親戚みたいなオッさんオバさんはちょっぴり嬉しい。
しかししかし。入場待ちのときに、
彼は同じ高専に通う同級生を見つけてた。
あの人混みですげーな。運命だ。
あまりのことに、ノリノリでその同級生に話しかける見知らぬ中年。
なんでも数ヶ月前に平沢さんを知って、もちろん初めてのライブらしい。
行動力ハンパないなー。
他のバンド友達にも、平沢聞いてる人がいるらしいし、
ホントに(ごく一部の)若い世代に浸透してるのね。
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白会人にペストマスクをチョイスするのは、
なんというか毒まみれで悪趣味で、最高である。
ギターネックと同様に向ける方向も明確だから、舞台映え半端ないし。
「見せる」演出に於いては、一日の長のあるプロデューサーと感心する。
好青年ベーシストのパフォーマンスの刺激になれば幸い。
次のマスクを予想してる人もいるけど、
ガスマスクなんて、とうの昔に使い古されてるからなー。
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あんなに驚いた大阪公演を浴びた後に、
気になるのはやはり東京公演だ。
「手品師のやり口」で驚かせた後に、同じ手口をするとは到底思えない。
など考えてたら「会人も驚く東京の1曲目群」と宣言されてしまった。
そこで、なにをすれば会人も驚くのか、
平沢さんの思考をトレースしたところ、自分でも驚いた。
この発想に辿り着いたの、当たろうが外れようが構わないくらい。
たぶん外れる。
でも、大阪公演の衝撃とその残滓で、これだけ楽しんだのだから、
もう満足だ。
ああ、東京公演すっげー楽しみ。待ち遠しい。
そういえば回=回、近年のアルバムでは、
最も聞き込んでるかもしれない。
リリース当初から、後半の展開がとても好みだと感じてたが、
ライブを通したら前半もカッチリ気持ちよくなった。
何かの拍子にPLANET-HOMEの節を口ずさむほど好き。
音楽性だけでいえば、ソロとPが自然に統合したような印象。
音廃の頃ならECHO-233とかリテイクしてたよね。MOON PLANTみたく。
その上で軽快に踊るギターサウンド。下支えの音群も濃密で好き。
やっぱりP-MODELが根っから好きなんだと痛感する。
青春ですもの。
こうしてあの頃を思い出しても、気恥ずかしさが薄れたのは
我ながら幼年期の終わりだとも思うけど、あれはあれで全力だったから、
それでいいんじゃない。あの頃の自分よくやった。
まだまだ続くぞ朱夏。
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