新春信州東京旅:長距離一筆書ききっぷの調べ方買い方
初日
新春信州東京旅:ふらふら信州鉄道旅
二日目は5時過ぎに起床。
チェックイン前に買っといたカップヌードルをすすり、身支度。
ここのホテルは朝食にも力を入れており、
そちらのプランも人気が高いが、今回は予算削減でパス。
美味しそうだったんだけどね。
「お参りしてきます」と鍵を預け、6時前に外に出る。
夜も明けぬ暗闇からは淡雪が舞い降る。
善光寺が近づくにつれ、現代的な街路灯は減り、
丁石と灯籠が並ぶ参道に高まる雰囲気。
あいにく灯籠には火が灯っておらず、
暗がりの中を歩いていたが、徐々に斜度が高くなる。
大門交差点から先では立派な登り坂だ。
宿坊の前を過ぎ、仁王門をくぐると、空気も凛とする。
日中なら活気もありそうな門前町も、
数軒から店開きの準備をする明かりが漏れてるぐらいで
さすがに商いをしてる店は、まだ無い。
それでも参拝客や宿坊に出入りする人影を、いくつか見かける。
古都特有の間口狭い建物の脇に、山内寺院や仏像も立ち並び、
それら一つ一つ手を合わせながら本堂を目指す、
信心深い人の姿もあった。
シルエットと篝火しか見えないが立派だ。
朝のお勤めはすでに始まってるらしい。
不信心者はさっさとお参りを済ませて、授与品所を覗く。
定番のおみくじお守りからご祈祷、納骨まで、
様々なラインナップが並んでおり、目に楽しい。
近年はこういうところでも文化財を模したガチャがあり
良いおみやげになってるよね。
かまわぬとコラボしたものとなれば、品質は折り紙付き。
しかもその中の一種が「牛に引かれて善光寺参り」の
名シーンを大胆な構図で再現。
あーこれ。これこれこういうの。よく分かってる善光寺。
品質、デザイン、有り難み、これだけ揃ってれば
少し高くても買う! お参り代とお土産!
善光寺、手ぬぐい販売 伝説など絵柄に3種類
長野市の善光寺は、「牛に引かれて善光寺参り」の伝説を表した絵柄や寺紋などの模様の手ぬぐい3種類を新...
そろそろ戻ろうかとする頃には空も白み始め、
参拝客の姿も徐々に増え始める。
人の流れを逆に行き、7時過ぎにはホテルに帰着。
部屋の中でくつろいでると眠気が訪れたので寝直し。
次に起きたのは10時前だったろうか。
チェックアウトが11時なのでゆっくり休めた。
荷物をまとめて身ぎれいにして出立。
長野で気になってた和菓子屋の幾つかが
参道にあるので、先程の道をもう一度歩く。
日が出てると、やはり雰囲気がガラリと変わる。
午前だというのに観光客で賑わってる。
門前町の長野風月堂で杏菓子を調達。長野風月堂 | 信州老舗和菓子店
明治19年創業。信州の名産杏を使った甘酸っぱい味わいの銘菓「玉だれ杏」や、「福くるみ」や「杏の実」など長野風月堂より信州ならではの和菓子をお届けして参ります。
気になってた民芸品店は、店内の接客がきつくて辟易。
寒天アンテナショップで土産を見繕えれれば、
軽くてかさばらなくて、貰う方も気楽だよねと思ってたら、
土産向きの商品が弱くて、普段遣いの品揃えだった。
結局、善光寺参道で観光らしいことは
ほとんどせずに駅まで戻る。
しかし、長野駅と善光寺の間だけで一日潰せそうなのを実感。
旅って時間のリソースの割き方が難しいな。
駅に着いたら北陸新幹線の座席指定。
手元にある特急券は自由席なので、
自由席と指定席の差額520円を足して指定を付ける。
1時間半後の予約なので、時間にゆとりが出来た。
昨日に引き続き、MIDORIの中を周遊する。
夕方過ぎてた昨日と違い、昼前の店内はどこも混雑しており、
レストラン街は満席ばかりだった。新幹線に弁当を持ち込もう。
そうなると、だいたい腹積もりは決まってる。
寿司とおやきだ。
1Fの地元客向けスーパーの魚売り場が
海無し県とは思えぬほど新鮮な品揃えだったのは、
昨日の下見で確認済み。
バイ貝やブリなどのラインナップから見るに
北陸流通ルートが確立してるっぽい。よし決めた。
寿司は新幹線に乗る前に買うとして、寿司だけじゃ寂しいね。
おやきは2Fの信州くらうどで、数店が肩を並べて商売してる。
そこももちろん、おみやげ然としてて、それなりに風情あるが、
1F惣菜コーナーのおやき屋が気になった。
地元向けなのだろう、2Fで見かけるような
かしこまった定番の味ばかりじゃなく、
3段5列ほどに積まれた、種類豊富なおやきの山。
しかもカウンターの前で常に止まる客足。
長野駅でおやきを買うならここだわ。
本店 西澤餅屋:おやき
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余談だが、MIDORIの1Fと2Fは、少し行き来しづらい作り。
2Fと3Fはゆとりある中央階段やエスカレーターが目立つのに。
たぶん、設計思想的に観光客向けの2F3Fと、
地元向けの1Fとは明らかに分断してるのだろう。
非常階段やファッションフロア経由で行けるけど。
腹づもりは決まったので、
2Fでの出費を減らしつつウィンドーショッピング。
時間はまだあるし、なにしよう…。
あ、酒を飲んでも良いのか。飲みたいな。
とはいうものの、下戸として生まれたこの身体、
ワンカップや2合瓶を飲むと致死量を超えてしまう。
試飲させてもらえないかと、指を咥えてふらついてたら、
遠藤酒造場の方が二種類、新酒の試飲をしてた。
ありがたやありがたや。
初雪は、ふんわりとしたまろやかな軽めの口当たり。
直虎は純米吟醸、キリッと引き立って弾ける飲み口。
美味しいっす! 量が飲めないのが残念っす!
豆プラカップ半分くらいで顔紅潮の、心臓バクバクします!
妻のおかげで、お酒の味は分かるようになったんだけどなー。
2合瓶があれば買って帰ってたな。ごちそうさまです。
1Fの惣菜コーナーも2Fの駅弁コーナーも気になるものばかり。
ついつい買い込みすぎてしまった。
時間も迫ったので新幹線口改札からホームに降りる。
ここの立ち食いそば屋も、人が並んでいる。
塩尻、茅野、上諏訪、長野。どこのそば屋も、
なんだか立ち食いとは感じさせぬ、雰囲気を感じる。
食べすぎないように意識してたので、優先度が低かったが
立ち食いそば食べ歩きもきっと楽しいぞ。
北陸新幹線かがやきは12両編成。
東海道山陽で例えると、のぞみクラスに相当するのかな。
全席指定で1両がグリーン車。もう1両が夢と噂のグランクラス。
検討したよ。グランクラス。
長野→東京間の新幹線自由席が3680円。指定席が4200円。
グリーン車飛ばしてグランクラスが、11190円。
差し引きしても、1時間半に追加運賃7500円は
さすがにちょっと財政難。
長野の一泊が5000円だったもんなー。
1500円の朝食を外すような旅だもんなー。
ちくしょー。
いつか乗ってやる。
祝日昼間の新幹線は、結構な混み具合。
もうちょっと空いてるもんだと思ったら、意外だった。
二列の窓側を取り、流れる車窓を眺めながら東京へ。
軽井沢を越えて群馬に入ると、もう都会の街並みだね。
買い込んだ食べ物を平らげるも流石に多すぎた。
おやきは夜食か翌朝で良いや。
東海道とは違い、北陸新幹線には普通指定席にも、
JR東日本広報誌トランヴェールがささっており、
ヒマつぶしに目を通す。
巻頭特集はチバニアンを中心とした千葉・茨城の地質学。
ほへー、なかなか渋い特集ね……。挿絵に見覚えある。
太めのロットリングかポスカで描かれたタッチの
丸っこいオオサンショウウオ。
サンちゃんじゃね?
……岡崎二郎先生じゃん!!!
トランヴェールで連載持ってるの? 聞いてないよ?
東北上越北陸新幹線に毎月乗らなきゃいけないの?
調べた。インターネットとモバイルデバイス最高。
今月号の巻頭特集にゲストとして招かれて、
取材と挿絵とマンガを描き下ろした、とのこと。
岡崎二郎マニア界隈ではちょっとした話題になってた。
…こんなタイミングで、
普段は縁なんて無い北陸新幹線に乗って、
岡崎二郎先生の載った広報誌が手に入るなんて、
人生ってどこにどんな貴重なものが転がってるのか、
ほんと分かんないなあ…。ラッキーでした。
もすこし岡崎二郎先生界隈にもアンテナ伸ばしとこう。反省。
思わぬ僥倖に、心落ち着くことなく大宮。
ここらへんから東北や上越の新幹線も見かけて賑やかに。
なんで猫耳実現しなかったのか、東北。
ふと思い立って上野駅で降りる。
特急券に無効印と、長距離きっぷの使い方を今一度確認。
「上野で途中下車した場合、次はどこから乗れるのか」
途中下車した上野駅から再スタートなのか、
東京駅からなのか、それとも都区内どこからでも乗れるのか。
答え。
「途中下車した上野駅→東京駅→名古屋駅間で逆戻りしてない駅」。
なるほどシンプル。東京駅までは経由地に入れてるから、
例えば、秋葉原駅から乗って山手線で品川駅まで行き、
そこから新幹線改札に入場というのは可能なんだ。
さらにいえば別にきっぷなりSuicaなりを用意して横浜へ行き、
新横浜駅から新幹線で名古屋へ、ってのも
やろうと思えば出来るわけかな。あまり現実的じゃないか。
上野駅から上野公園へ。
東京国立博物館で、正月展示の松林図屏風を見物。
これまでなかなか縁がなかったので、無理やり見に行く。
幽玄。
他にも面白そうな展示ばかりだから時間がほしかった。
あと少しタイミングがずれれば顔真卿展だったのにな…。
【公式】特別展「顔真卿―王羲之を超えた名筆」
2019年1月16日(水)―2月24日(日)東京国立博物館 平成館で開催。國立故宮博物院蔵の「祭姪文稿」をはじめとする顔真卿の名品を通して、顔真卿の人物や書に迫ります。ほかに王羲之、欧陽詢、虞世南、褚遂良、懐素、空海らの作品が一堂に会します
上野公園から御徒町まで歩き、御徒町駅から大江戸線。
勝どき駅まで乗り、海辺の埋立地を歩く。
東京海員会館でUW手ぬぐいを調達したかったが
あいにく売り切れ。そのまま豊洲PITを目指す。
埋立地ながらも風もなく、まあまあそれなりに過ごしやすい。
ダウンコートの下はTシャツ一枚で過ごせた。
知り合いにはほぼ会わず。
開演間近に同じく長野帰りの(あちらは出張だが)
友人と会い歓談。
土産をうっかりロッカーに入れてしまい渡しそびれた。
ごめんね。
その後、妻たちが集う方に合流。開場。開演。終演。
回収船の爽快感たまんない。
終演後に会えた友達ぐらいにはお土産渡せればー、と
思ってたけど、みな足早に帰ってしまい、手持ち無沙汰に。
翌日は平日だし仕方ないね。
結局、いつもの食事に行くメンバーと
ご飯を食べながらいくつか土産を渡す。
なかなか腰を据えてお話する機会が無かった方の、
YMOを始めとする'80音楽講座がとてもタメになった。
客観的で鋭い評論が勉強になる。
また改めてお話を伺いたい。
日付が変わる頃にチェックイン。
翌日は近所にある巨大ヨーカドーを眺めてから赤坂観光。
しろたえでお茶とケーキ、とらやでお土産。
東京ミッドタウンまで歩き、途中の旧乃木邸も見学。
期間限定の坂角ゆかりショップでつまみ食いして
ここから先は別行動の妻は、実家へのお土産を調達。
品川駅までバスで移動し、そこで妻と解散。
私の方は新幹線での軽食を調達して、
東海道新幹線自由席特急券をのぞみ指定席へと変更。
差額は730円。名古屋へは1時間半で帰着。
乗車券と特急券に無効印が押されて、今回の旅行もおしまい。
帰り道にタカシマヤに寄ったら、
長野で見つからずに悔しい思いをした
小布施堂の朱雀モンブランが期間限定出店してたので
迷うことなく購入したのは最後のご愛嬌。
トラブルらしいトラブルもなく、下調べと仕込みさえすれば、
なかなかに快適な旅だった。特急は楽だ。
帰ってからもヒマがあれば時刻表片手に、
どんな一筆書きルートが書けるか、
その先でどんな観光できるか、考えて遊んでしまう。
サンライズ出雲とか組み込めないかなあ。
特急いなほ、なんてのもあるんだ。
全国に知らない在来線特急が結構走ってるぞ。
また機会があれば。
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