2019年3月26日火曜日

春の諏訪旅行その三 酒池肉林

もう少し続く諏訪旅行の思い出話。

【諏訪旅行その一】
【諏訪旅行その二】

日本の食を支える発酵蔵、長野。
なかでも諏訪の町には5つの酒蔵を始めとする、
酒蔵、味噌蔵などが、今でも活況をみせる。

食の方ではそば処でもあるし、
馬肉文化も発達し、ジビエも名高い。

さらに湯量豊富な温泉まで湧くとあれば
泊りがけで遊ぶしか無かろうと、
飲んで食って静かに騒ぐ珍道中。


まずは茅野駅から車で数分の、信濃路遊膳そばのさと。
こちらは「瑞萌千本杵搗製法」という製法で、
蕎麦の実を甘皮付きのまま低温水に浸けて
専用の機械で皮ごと荒搗き。そして手打ちにするという、
「どうづきそば」なるそばを出してくれる。


荒搗きらしく粒状感が残るそば。
口にすると、十割とは思えぬモチモチ感に加わるプチプチ食感。
対話しながら食べる系のそばだ。なるほど。

食の求道者である同行者の一人は
どうづきそばを食べ終わり、間髪入れずにもりそばを注文。
一口すすらせてもらったら、これがどうしようもなく美味い。
ふええ。
このポテンシャルを踏まえた上でのどうづきそばかぁ。
奥深しそば処。


夕食は同行者のおすすめで馬肉すきやき。
かつて上諏訪に訪れた際の思い出の味とのことで、
ひなびた繁華街の路地を曲がったところにある隠れ家的な店。

テーブル2つにカウンターの店内は貸し切り状態で、
まずは馬刺しを赤身と霜降りの二種類。
…赤身ウメェ。霜降りも溶ける。
血生臭くもなく、これは美味しいわ、と思ってたら、
カセットコンロと鉄鍋が出てきてお肉と野菜ドーン。


…うめぇ。
牛、豚、鶏、羊、鹿、鯨。それぞれの肉に
独特のクセがあるのが普通だと思ってたけど、
ここの馬にはそれが無い、食べるとスルスル消えていく。
これは贅沢だ。あー。
4人前をあっという間にたいらげてご馳走様。


翌日は地元で愛されるラーメンを、と
いうことでハルピンラーメンへ。
祝日の昼下がりだけあって賑わっていた。

地元のおばちゃんたちが働く厨房からでてきたのは
濃厚とあっさりの中間ぐらいの
程よいスープに中細の縮れ麺とチャーシュー、
そして海苔とメンマとトッピング辛ネギ。
あっさり優しい豚飯が引き立て役として仕事を果たす。
なに食べても美味いな諏訪。



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話変わって温泉巡り。
1月の日記にも書いた住宅地の秘湯、大和温泉と、
諏訪湖湖畔の名湯、片倉館に立ち寄ってきた。

まずは片倉館。
戦前に製糸産業で財を成した財閥が
「地域の福利厚生と社交場を」ということで建てた
筋引レンガとレリーフとステンドグラスの、
見るからに金がかかってそうな建築物。


その中の目玉は100人が一度に入れるという売りの千人風呂。
プールみたいで確かに広い。
我々が入ったときは6~7人ぐらいか。
女湯の方はほぼ貸し切りだったとか。
心持ち熱めの温泉はサラサラでなかなか心地よい。
そして中で立つと胸まで浸かる深い浴槽。


翌日は大和温泉。
前回とはルートが違い、諏訪市役所側からアクセス。
こちらのお湯は完全に貸切状態。
お客さんがいなかったせいか、前と比べて
やや温めの硫黄泉にたっぷり浸かり、
体の芯まで温まる。温泉巡り楽しいわ。
みんなで大満足。


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食べ物、お風呂ときたら、次は飲んだくれ。
上諏訪町の街道沿いにある5つの酒蔵、
舞姫・麗人・横笛・本金・真澄が共同で
「諏訪五蔵めぐり」というキャンペーンをおこなってる。
所定の料金を払ってガラスぐい呑・提げ袋・台紙を買い求め、
それを持って各酒蔵を巡ると試飲ができるとのことだ。




一か所で5種類を確実に試飲できて、
蔵によっては更に+α。
単純計算でも4合は飲めるとのことで魅力的。なのかな。
下戸だから仲間の飲みっぷりを眺めてた。

スタンプラリーに期限はないとのことで、
今回は二日に分けて蔵巡り。
同じように巡ってる他のお客さんの話を聞いても
やはり泊りがけで五蔵まわってる人たちがちらほら。
初日に三蔵、二日目に二蔵と回ったが、
数をこなすにつれて皆ほろ酔い加減になってゆく。

それでも初日は良かった。打ち止めがあったから。
二日目がすごかった。
最後に入った蔵は、試飲用の冷蔵庫が置いてあり、
好きなだけ飲んで良いよのドリンクバー状態。
仲間が静かに壊れてく。

酒を飲んで人が壊れていくのを観察してるのは楽しい。
私はあんなに飲んだら死ぬ。

お酒を楽しんだ後は気になった酒を買い込んで。
リュックに一升瓶二本背負ったり、
両手に酒瓶と糸寒天を抱きかかえながら
友達は特急あずさで帰っていった。

我が家の方は一升瓶を妻の実家に送りつけて、
さらに翌日、足を伸ばした甲府で
一升瓶ワインを何本も買い増してた。
我が家は今、酒瓶だらけである。




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