2017年10月31日火曜日

10月のあれこれ

先月の不調に比べれば今月は各所に出かけられた。
もっとも、どれも数か月前に予定を決めた用事をこなしたというのが
実情という面はあるが、それはそれとしてどれも楽しいひと時だった。


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6日は平沢進ライブを見に東京の新木場へ、
3月の平沢FC主催ライブ以来の上京である。

羽田から築地へ向かって早めの昼食を魚がし横丁:天房で摂り、
地下鉄を乗り継いで千駄木でせんべいを調達。
そのまま宿泊先に移動してチェックインと同時に休憩就寝。
あとは雨の中、ライブ会場へ行ってライブ観覧。

終了後は仲間内で集い、新橋のタイ料理屋:タイ象で打ち上げ。
ラストオーダーで解散し宿泊先へ戻り、翌朝6時には出発して新幹線。
という慌ただしさだった。
前回3月のときも日帰りだったし、このところの上京は
用事だけ済ませて遊ぶ機会が少なくなってしまった。
次は連休を取ってもっとゆっくり東京を楽しみたい。



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18日は京都国立博物館の国宝展を含めた京都大阪旅行。
京都往復の新幹線ツアーチケットで京都に着き、
在来線に乗り換えて梅田の阪神百貨店。
スナックパークはなくなったけどいか焼き屋は健在、
飲食ブースが無いのが寂しい。

大阪でやりたいことがこの時点でなくなったので
淀屋橋から京阪で黄檗に移動。
ご無沙汰のたま木亭で昼食のパンを買い、
向かいの京大宇治キャンパスの芝生を借りて食べる。
たま木亭も美味しいけど今度は持ち帰りにして
キャンパスにある学食で次は食べてみたい。

木幡で途中下車して京アニショップを覗く。
翌週にせまった京アニイベントの告知が眩しい。
宇治も気になったが時間が押し気味だったので出町柳へ。
出町ふたばの餅をお土産に買い込み、鯖寿司を軽くつまもうと思ったが
アーケードの鯖寿司屋は今日もシャッターが降りてた。
一度くらいは食べてみたかった。

京阪を折り返して七条の京博へ、平日にも関わらず国宝展は大賑わい。
それでも午後4時を過ぎれば幾分混雑は緩和されて
閉館間際は余裕のある観覧ができた。
全ての展示が国宝なだけはあって、
書跡→考古→仏画→地獄絵→中世絵画→近世絵画→中国絵画→
彫刻→陶磁→絵巻物→染織→金工→漆工…の順路に従って
眺めてるだけでも見応え満点。どこでも何かは見どころにぶつかる。

全四期に分かれた展示をすべて見るのは流石に無理なので
最も貴重と思われる大徳寺龍光院の曜変天目茶碗が出展される2期を選んだが
前年の鑑定団曜変天目の一件もあって周知されたのか、
展示ボックスは黒山の人だかり。
台の高さも結構あり、見るのに苦労してたお子さんも何人か見かけた。
曜変天目茶碗の中でも大徳寺龍光院のものは基本的に非公開
(今回は十数年ぶりの公開)で記録写真もあまり残っていないが、
碗の中で曜変の具合が偏っていて、ある角度からは瑠璃色が強く輝き
また別の角度からは白い星が強く目立ち見ごたえがある。

よく知ってるメジャーどころも写真の印象とはやはり違い、
立体感やサイズ感など、本物を生で見るのは勉強になると改めて思うし、
自分が疎くて知らないジャンルについては発見感覚で楽しめた。
信貴山縁起絵巻や病草紙は目からウロコ、最澄や空海の筆も必見、
時雨螺鈿鞍や七条刺納袈裟は職人の仕事が凄い。
昼下がりから日が沈む閉館時間までたっぷりと見られて眼福だった。




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24日は名古屋の愛知県美術館で開催されている長沢芦雪展。
会場に向かう前に伏見のマイペンライで昼食。
カオマンガイトードを食べたが普通のカオマンガイに軍配が上がるか。
妻はカオソーイ、そちらは安定の美味しさだった。
カオマンガイとカオソーイのハーフアンドハーフが欲しい。

日本美術に興味を持ち始めた頃に開催の噂を聞きつけて
ずっと楽しみにしてた長沢芦雪展。
串本に旅行がてら無量寺を拝観しようとまで思ってた
虎図襖と龍図襖が方丈での襖配置まで再現して名古屋で見られる機会は
逃す訳にはいかない。

会場に展示された芦雪の絵を一回り見た感想は、
とにかく達者な絵描きが、神経集中して挑んだであろう大作や
表現を崩したり時には即興で描いたようなものが一堂に会しており、
人間:長沢芦雪の人となりが浮かび上がってくるかの印象。
大傑作とライブ感重視の落書きが共存してた気がする。
ハイクオリティなレベルの前提で玉石混交してて
「これは凄い」「こっちはそんなにでもない」など、
自分の基準で選り好みできる展覧会といえるかも。

そんな中でも抽象画スレスレな作品はド迫力なものが多かった。
目玉としても紹介されてる「群猿図屏風」だけでなく、
直線ばかりで描かれた鯉の滝登り「瀑布登鯉図」や
「絵変わり図屏風」の鯨絵、描写は写実だけど演出は奇抜な「牛図」など。
ひと目で心奪われる思いだった。

芦雪の絵をまとめて見ると同じ題材や構図を
手を替え品を替えて何度も描き残してるような印象を受ける。
そんな中でもインスタ映えする写真みたいな
妙なリアルさがある「寒山拾得図」と
デフォルメ蛙が可愛い「蛙の相撲図」が酷似の構図と
気づいたときには思わず膝を叩いた。

晩年(と言っても40代半ばだけど)の
落ち着いた画風の中にも超縦長の奇抜な構図があったり、
とにかく絵を描くのと、それを見た人々の反応を観察するのが大好きな
パフォーマーだったんだろうか。
「どうだ驚いたか?」と顔に出してそうなタイプ。
そして動物とおっさんが大好きなおっさん。きっと女性は苦手だ。

もう一回分、前売券を買っておいて良かった。行動圏内での開催に感謝。
秋は西の国宝展と東の運慶展に話題が集中してるけど、
東京や京都大阪での開催だったらもっと話題になってる気がする。
長沢芦雪ブーム来るんじゃないかな。来るといいな。






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30日の今池TOKUZOでの寒空はだか、遠峰あこ、ナオユキ、かんのとしこ
「蛇腹と捧腹 東西競演」もとても気になったが
そこに向かえるほど回復してなかったのがかえすがえすも残念。
8月の記事で書いた、友人の勤める学校の文化祭にも行くことができなかった。
来月はもう少し体力と気力を伸ばして
ビートサーファーズ主催のライブツアーや
名古屋ボストン美術館の鈴木春信展を見に行きたい。