2018年2月16日金曜日

減量に近道なし

さらに色々あって仕事を休んでる今日このごろ。
休職期間に入る前後くらいに社内健康診断で
メタボ判定にひっかかり、特定保健指導を受診した。
曰く、正常値と肥満値とのボーダーでぎりぎりラインを超えたくらいで
何種類かある支援プログラムの中でも最も軽いものであるが
それでもつまりはメタボ予備軍とのことだ。

確かにここ数年はストレス食いが捗り、顔も身体も丸くなった自覚はあった。
私に与えられた課題は、カロリー摂取の軽減と適度な運動を維持し
半年で3.5kg減量するために一日あたり140kcal減せよとのことで
まったくもって仰る通りの保健指導だ。

具体的な行動計画も定められ、歩数計も与えられたが
いまどきの歩数計って3Dセンサー測定が主流なんですな。
テストを兼ねてぶんぶん振ってもカウントされないわけだ。
センサーで移動速度を感知して稼働時間を測定して
それらから歩数を概算しているっぽい。
クラスアップすると振動センサーとかで
歩いてるのか走ってるのかまで判定するみたいだけど。

これにGPS距離測定までつけば普通にサイコンなみのことが
実現できそうだと思ってたら、スマホアプリで既にいくつもあるらしい。
でもiPad未対応なのがほとんどだというところまで調べた。
たしかにiPadかかえてウォーキングって無駄が多すぎる。
かといってヘルスケアのためにスマホ買うのも本末転倒だ。
もらった安物の歩数計はどうも狂ってる感が否めないので
もうすこし高価格帯の歩数計を注文した。

時間の余裕も出来たことだし、日課として散歩やらエアロバイクに励んで
あごのラインをすっきりさせたい。
しかし散歩してると手頃なカメラもほしくなってくる。

2018年1月27日土曜日

東京国立近代美術館「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」

この連休を逃したら行く機会をなくす気がすると予感したので
東京国立近代美術館で開かれてる展覧会
「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」に行くために東京へ飛んだ。


直前早割が取れたので、行きは早朝の飛行機で羽田へと向かい、
そこから京急で銀座に出て、築地の磯野家で腹ごしらえ。
ブリ刺定食のご飯を牡蠣飯に変更。
階下の磯寿司は豊洲に移転するが、磯野家はこのまま3月に閉店するとのことで
今年が最後の牡蠣飯となってしまうらしい。今までごちそうさまでした。



場外市場をぶらつき、築地本願寺で少しのんびりして立川へ。
まだ雪が残る道を踏みしめ迷いつつ、
国立極地研究所 南極・北極科学館を見学。
放送中の「宇宙よりも遠い場所」に登場しており
ちょっとした聖地巡礼だが、思ってたよりも小さめの施設ながらも
雪上車や隕石の実物展示、オーロラ体験シアターに
昭和基地のライブ映像などなど、見応えある展示内容を楽しんだ。



立川から近代美術館に行く途中で駒込に寄り道して
東洋文庫ミュージアムで科挙クリアファイルなるグッズを購入。
中国の官僚採用制度である科挙で最優秀成績を取った人物の答案用紙を
クリアファイルに仕立てたもので、
現代フォントと見紛うばかりの綺麗な楷書に惚れ惚れしてしまう。
ミュージアムも覗きたかったが時間が押してきたのでまた今度。


竹橋で降りてお堀に氷が残る皇居沿いを歩き近代美術館へ到着。
熊谷守一展は東京美術学校の学生時代から97歳の生涯を閉じるまでの作品を
時代ごとに余すところなく200点以上の展示。
宮川香山展に通じるような満腹感を味わう展覧会だ。
その中でも猫の絵を集めたコーナーでは、
代表作の三毛猫とそのスケッチとを重ね合わせるように
見られる展示構成がされており、鼻息荒くなるほど良いものだった。



先に見てきた妻から「音声ガイドを借りるといい」とアドバイスを受けたが、
時間も足らず気も急いてしまい結局借りなかったのは心残り。
今年公開の映画「モリのいる場所」の山崎努と樹木希林が
各作品の解説をしてて聴き応えもあるとのこと。

ファンの多い画家だけあって平日といえどもなかなかの混み具合。
年齢層は若干高めか。
同時開催の所蔵作品展は明治から平成にかけての
日本を中心とした美術作品が並び、こちらも見応えがあった。
松林桂月「春宵花影図」、原田直次郎「騎龍観音」は迫力あったし、
新宿中村屋や真澄の書で知られる中村不折の、本業の方の油彩画も見れた。
中でも日本画家が描いた生物画を集めたコーナーは
好みと合致してもう一度見に行きたいと思い返す。
速水御舟の蟻はエピソード込みで苦笑してしまう。


近代美術館を出る頃には陽も暮れており、慌てて東京駅へ。
ちょっとのお土産と新幹線内での晩ごはんを買い込み、
雪のせいで遅れ気味の新幹線に乗り帰郷。
これまで万カツサンドは八重洲南口と丸の内南口の
間の通路にある売店で求めていたが、
そのそばにある大きめのニューデイズに
弐万カツサンドからハンバーグサンド、ヒレカツサンドまで
みっちりと揃ってるのをようやく学習した。これからそっちで買おう。

相変わらずの詰め込み日帰り上京がちと辛い。
次こそゆっくり観光したい。

2018年1月16日火曜日

変わらない終わらない / 映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-

「中二病でも恋がしたい!」のTVアニメが流れてたのはいつだったろうか。
調べたら第一期が2012年秋で、2014年冬に第二期放送だった。
当時は割と深夜アニメを見てたし
けいおんやたまこで一気に京アニ作品に引き込まれた人間なので
この作品も楽しく、時には身悶えしながら見てたのが懐かしい。

しかしここに来ての完全新作劇場版製作とは予想もしなかった。
中二病はさすがしぶとい。
ほどなく公開も迫り、公式サイトでロードムービーなあらすじも眺めた。
だけど劇場に足を運ぶまでは良いかな…と及び腰ではあったが
予告編を見たとき、一つ気がかりな点を発見。
六花と勇太、二人の後ろに、たまやが映ってる。

え。そういう映画なの?
ちょと待って一気に気になる。
うわースタッフの思う壺ってこういうのか。
振り返れば一期も二期も通しで見たし、前回の劇場版も足を運んだ身。
まさか再び極東魔術昼寝結社の夏御一行様を拝見できるとは思わなかったが
毒喰らわばなんとやらとの諺に従って
まんまと映画館に吸い込まれていった。
以下、感想の書き残し。



2018年1月15日月曜日

オー何テュー事ナンダロウ

この年末年始を挟んだ三週間は辛かった。
本業についての罵詈雑言しか思い浮かばぬ地獄の日々だったが、
ようやく心が少し落ちつく時間ができたので
記憶に残したいことだけでも残しておいて後で懐かしむ。


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1/6 金原亭馬久独演会
「この日は休め」と会社から言われた日、
スケジュールを見たらはじめ亭しげた席亭が主催する落語会が予定されてた。
昨年(2017年)は数えるほどしか落語を見られなかったし、
先述のどうしようもないクソったれな流れから逃れて
初笑いだけでもしようと熱田へ向かった。

会場は熱田さんと秋葉山の間にある大同特殊鋼の保養所で、
年季を感じる鉄筋コンクリート造りの建物の中に、舞台付きの宴会場が設置。
主役の金原亭馬久さんは2015年に二つ目昇進を果たした新進気鋭、
本人は「イケメン二つ目ブームに乗れない冴えない顔」と評していたが
目鼻立ちのくっきりとした顔立ちで、滑舌も良く明るい口調。

初の一人遠出独演会とのことで緊張してるのが観客にも伝わってきたが、
それもほぐれたら威勢のよい喋りと演技が乗ってきて
噺の本筋を丁寧に闊達に伝えあげる、聴き心地の良い高座が演じられた。
「年二回お呼びできるといいな」とはお席亭のお言葉。
また次も機会があれば積極的に見に行きたい落語家を知れた、
実りある日だった。やっぱ落語って楽しいな。

真田小僧
厄払い
踊り せつほん
雪とん



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我が家に住む猫の中でも古株の黒猫14歳。
食欲は旺盛だが近年身体つきが痩せてきており、
どことなく口内の様子を気にしてるそぶりを見せるので病院へ。
口内の方は炎症を起こしておらず歯石が溜まってるぐらいの症状だったが
血液検査の結果がよろしくなかった。各臓器に異変あり。
二度ほど検査して甲状腺の薬を投与して様子を見ましょうとの診断。

それから毎日二回、錠剤を飲ませる日々が始まった。
比較的おとなしく薬を飲んでくれる子だが、
頭を押さえて口をパカーと開き薬を放り込んで飲み込むまで口を閉じさせる、
あの一連の動作はどうしても抵抗感がある。猫の身体のためだとは思うが。
自発的に飲んでくれれば一番いいのにね。



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Netflixだが、加入した直後から激務になってしまい
見てるヒマなんて無くなったのでお試しで解約。
かなり使いやすくて見たい番組も多かったので機会あれば入り直したい。

代わりと言ってはなんだが、妻がAmazonプライム会員だったのを思い出したので
テレビ録画サーバーでAmazonプライムビデオが映るようにした。
しかし両者の性質が違うとは言え、Amazonプライムの方は
レンタルビデオ屋の品揃えっぽくて、面白みにちょっと欠ける気がする。
もうちょっとトリッキーなラインナップでもいいのに。
あ、でも新作アニメの配信が早いのは助かるかも。
「宇宙よりも遠い場所」はシーズン通して見たい。


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iPadのFlightradarを開いたらアプリリニューアルのお知らせ。
半年前に新バージョンに鞍替えしたらしくて旧アプリの方は更新終了ですって。
新アプリは月額(年額)課金制になったらしく
旧アプリの有償版を使ってた人は3ヶ月無償で使えるとのことだけど、
ゴールドとシルバーの二段階会員制。プラス無料会員。
んー。違いが分かんない。

調べたらシルバー会員の方が今までの有償版クラスのサービス提供で
ゴールドにすると天気レイヤーが見れたり
自分が搭乗したフライト軌跡ログを半年保存できたりするらしい。
シルバーが月額1.49ドルor年額9.99ドル。
ゴールドは月額3.49ドルor年額34.99ドル。
じゃあシルバーの年額払いでいいや、とインストール。

ほんの少しレイアウトが変わってるけど誤差の範囲。
でも画面上を動く飛行機に文字情報が出てこない。
改悪やんけーとかブーたれながら設定を探してたら、
旧アプリよりも細かく表示情報を設定できると知る。
自分好みにカスタマイズできたので乗り換え決意。

意外と重要だと感じたのは課金情報の扱い。
アカウントに紐付け方式なのでスマホアプリだけじゃなくて
PCブラウザの方もそのアカウントでログインしたらシルバー会員扱いになった。
なるほどね、これは便利。
しかし、どのサービスも定額課金が当たり前の時代になってきた。
正直買い切りのほうが有難いけどサービス維持の上では仕方ないのかな。


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自宅に敷いてるフレッツ光がプレミアムからネクストに切り替えらしい。
そのための各種手続きをしてるがこちらもよく分かんない。
月末には作業の予定だが、まあなんとかなるだろう。なんとかしたい。
なんとかしないとネットに繋がらなくなる。


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ここ数年楽しみに読んでた、でぃす×こみと
駄能力JK成毛川さんが相次いで終わってしまった。
単行本を買ったけど成毛川さんの方はネットで公開されてた
ショートショート劇場は収録されなかったみたいで残念。
ゆうきまさみ先生の方は巻末で新連載告知もされてて何より。
菅森先生は次回作も一般誌かな、どうなんだろ。

後から追っかけでじっくり楽しんでたへうげものも完結。
次は何を読もうかな、とか思ってたらFSSの新刊情報到来。
楽しみは色んな所に転がってると思いたい。


2017年12月28日木曜日

去る酉、往く師走

前回の日記以来、年内のイベントにもケリがついてしまい、
休みも少ないながらも平凡な日々を暮らしてる。
年末年始はゆっくりできるかと思ってたら最後の週に
とんでもないどんでん返しが起こり、忘年会もキャンセルする始末。
年明けまで働き詰めになりそうだ。
最後の休日にこの秋と冬を振り返る。



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眠れない夜のおまじまい、最近の流行りはドライブだ。
布団に潜り目をとじても眠れないなら、頭の中でエンジンかけて
よく知ってる道を、なるべく克明に、どこまで走れるか。
近所の自動車専用道までは行けるが、
その先の高速道に乗るころまでには大抵眠りに落ちている。
京都まで出かけるつもりでやってるのだが県外にすら出られやしない。

なかなか良い暗示を見つけたと満足してるが、
いつか賀茂大橋まで辿り着けるほどのキツい不眠に遭いそうな気もする。
しかし、少し前まではこんな必要もないくらい
あっという間に眠れてたのにね。


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祖母が亡くなった。
母の母なので我々兄弟も大きくなるまで
こちらの家を訪ねたりあちらに伺ったりと、よく面倒を見てもらったものだ。
なかなか頑固というか、子供の話を聞かず
自分で話してばかりだったからあまり得意ではなかったが、
まだ珍しかったカップ焼きそばを作ってくれたとき、
湯切り前にソースを入れちゃって薄味の茹でそばが出来てしまい、
バツの悪そうな表情をしてた祖母の顔はよく覚えてる。

成長すると祖母が暮らす叔父一家との親戚づきあいも減り、
晩年は耳も遠くなった上に補聴器も合わなかったらしく
ますます話す機会も減ったが、
会う度に祖母の体つきが小さくなっていった印象はある。

連れ合いを早くに亡くし、私が物心ついたときには未亡人だった祖母だが
母や叔父を育ててた頃や、その前の青春時代はどんな人だったのだろうか。
葬式にも参列した大叔父(母や叔父と年齢が近い)が
「姉は激動の時代を生きた人だからなあ」と呟いてたのが忘れられない。
昭和と平成のほぼすべてを歩んだ人だった。


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Netflixに加入した。
最近の動画配信サービスのユーザーインターフェースは軽くなったものだ。
非力なスペックで組んだテレビ直結の録画サーバでも
過不足ない視聴が可能と来たもんだ。
しかも過去視聴動画も、見たところまでを記憶してて
次に再生する時はデフォルトでそこからスタート。
見たいところまでダラダラ見て続きを放ったらかしてる動画が
リストになっていくつも並んでる。

記録はアカウント管理なのでテレビの方の録画サーバでも
メイン使いのPCの方でも同じ環境を得られてるし
たぶんタブレットのアプリを使っても同様なのだろう。
家族用にいくつもアカウントを管理できるようだし
課金制動画配信サービスの洗練されっぷりに翻弄されてる。

どっちかといえばレンタルショップにないような
半端映画が見たいと思ってる人間だし
試しに検索したら興味ある映画がいくつかヒットするし
入ってるアニメやドラマも割りと好みの傾向に合ってそうだ。
なんとなく加入したのでお試し期間が終わったらどうしようか悩んでるが
月額引き落としじゃなくてコンビニPOSAカードなら続けてもいいかな、とか
あーだこーだ考えてる。
しかし国産課金制動画配信サービスの最大手である某動画って
ホントに使いにくいままのシステムだったのね…。
別の選択肢に触れて実感した。そりゃユーザー怒るわ。


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カリフォルニア米が我が家にやってきた。
コストコで安く売られるようになったからだが
炊きたての香りが微妙にクセある以外はとても美味しい。
5kgで998円だったっけ。何だその値段。
心情的には国産米を応援したい気持ちはあるが家計的には心が揺らぐ。


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名古屋駅によもだそばがオープンすると聞いたのは12月に入ってからだろうか。
友人のリツイートで知ったが、立ち食いそばは正直あまり食べたことなかった。
しかしこの店はそばとインドカレーで有名らしい。
気になったので試しに食べてきた。すげー美味しかった。
そばもカレーも気に入った。
とくにカレーの方はこんな値段で出して良いんだろうか。
名古屋駅地下街のスパイシーなチキンカレーは一杯700円なのに、
こっちは半カレーまであるなんて。
これからはついついこっちを選んでしまいそう。


よもだそば名古屋うまいもん通り広小路口店 開店日 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA


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なんとなく呟くのと苑を休んでる。
やらなきゃと抱えるとしんどいので、そのうちゆとりが湧いたら取り掛かろう。
苑の方は更新材料の記録だけはしとかないと。それでは良いお年を。



2017年10月31日火曜日

10月のあれこれ

先月の不調に比べれば今月は各所に出かけられた。
もっとも、どれも数か月前に予定を決めた用事をこなしたというのが
実情という面はあるが、それはそれとしてどれも楽しいひと時だった。


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6日は平沢進ライブを見に東京の新木場へ、
3月の平沢FC主催ライブ以来の上京である。

羽田から築地へ向かって早めの昼食を魚がし横丁:天房で摂り、
地下鉄を乗り継いで千駄木でせんべいを調達。
そのまま宿泊先に移動してチェックインと同時に休憩就寝。
あとは雨の中、ライブ会場へ行ってライブ観覧。

終了後は仲間内で集い、新橋のタイ料理屋:タイ象で打ち上げ。
ラストオーダーで解散し宿泊先へ戻り、翌朝6時には出発して新幹線。
という慌ただしさだった。
前回3月のときも日帰りだったし、このところの上京は
用事だけ済ませて遊ぶ機会が少なくなってしまった。
次は連休を取ってもっとゆっくり東京を楽しみたい。



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18日は京都国立博物館の国宝展を含めた京都大阪旅行。
京都往復の新幹線ツアーチケットで京都に着き、
在来線に乗り換えて梅田の阪神百貨店。
スナックパークはなくなったけどいか焼き屋は健在、
飲食ブースが無いのが寂しい。

大阪でやりたいことがこの時点でなくなったので
淀屋橋から京阪で黄檗に移動。
ご無沙汰のたま木亭で昼食のパンを買い、
向かいの京大宇治キャンパスの芝生を借りて食べる。
たま木亭も美味しいけど今度は持ち帰りにして
キャンパスにある学食で次は食べてみたい。

木幡で途中下車して京アニショップを覗く。
翌週にせまった京アニイベントの告知が眩しい。
宇治も気になったが時間が押し気味だったので出町柳へ。
出町ふたばの餅をお土産に買い込み、鯖寿司を軽くつまもうと思ったが
アーケードの鯖寿司屋は今日もシャッターが降りてた。
一度くらいは食べてみたかった。

京阪を折り返して七条の京博へ、平日にも関わらず国宝展は大賑わい。
それでも午後4時を過ぎれば幾分混雑は緩和されて
閉館間際は余裕のある観覧ができた。
全ての展示が国宝なだけはあって、
書跡→考古→仏画→地獄絵→中世絵画→近世絵画→中国絵画→
彫刻→陶磁→絵巻物→染織→金工→漆工…の順路に従って
眺めてるだけでも見応え満点。どこでも何かは見どころにぶつかる。

全四期に分かれた展示をすべて見るのは流石に無理なので
最も貴重と思われる大徳寺龍光院の曜変天目茶碗が出展される2期を選んだが
前年の鑑定団曜変天目の一件もあって周知されたのか、
展示ボックスは黒山の人だかり。
台の高さも結構あり、見るのに苦労してたお子さんも何人か見かけた。
曜変天目茶碗の中でも大徳寺龍光院のものは基本的に非公開
(今回は十数年ぶりの公開)で記録写真もあまり残っていないが、
碗の中で曜変の具合が偏っていて、ある角度からは瑠璃色が強く輝き
また別の角度からは白い星が強く目立ち見ごたえがある。

よく知ってるメジャーどころも写真の印象とはやはり違い、
立体感やサイズ感など、本物を生で見るのは勉強になると改めて思うし、
自分が疎くて知らないジャンルについては発見感覚で楽しめた。
信貴山縁起絵巻や病草紙は目からウロコ、最澄や空海の筆も必見、
時雨螺鈿鞍や七条刺納袈裟は職人の仕事が凄い。
昼下がりから日が沈む閉館時間までたっぷりと見られて眼福だった。




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24日は名古屋の愛知県美術館で開催されている長沢芦雪展。
会場に向かう前に伏見のマイペンライで昼食。
カオマンガイトードを食べたが普通のカオマンガイに軍配が上がるか。
妻はカオソーイ、そちらは安定の美味しさだった。
カオマンガイとカオソーイのハーフアンドハーフが欲しい。

日本美術に興味を持ち始めた頃に開催の噂を聞きつけて
ずっと楽しみにしてた長沢芦雪展。
串本に旅行がてら無量寺を拝観しようとまで思ってた
虎図襖と龍図襖が方丈での襖配置まで再現して名古屋で見られる機会は
逃す訳にはいかない。

会場に展示された芦雪の絵を一回り見た感想は、
とにかく達者な絵描きが、神経集中して挑んだであろう大作や
表現を崩したり時には即興で描いたようなものが一堂に会しており、
人間:長沢芦雪の人となりが浮かび上がってくるかの印象。
大傑作とライブ感重視の落書きが共存してた気がする。
ハイクオリティなレベルの前提で玉石混交してて
「これは凄い」「こっちはそんなにでもない」など、
自分の基準で選り好みできる展覧会といえるかも。

そんな中でも抽象画スレスレな作品はド迫力なものが多かった。
目玉としても紹介されてる「群猿図屏風」だけでなく、
直線ばかりで描かれた鯉の滝登り「瀑布登鯉図」や
「絵変わり図屏風」の鯨絵、描写は写実だけど演出は奇抜な「牛図」など。
ひと目で心奪われる思いだった。

芦雪の絵をまとめて見ると同じ題材や構図を
手を替え品を替えて何度も描き残してるような印象を受ける。
そんな中でもインスタ映えする写真みたいな
妙なリアルさがある「寒山拾得図」と
デフォルメ蛙が可愛い「蛙の相撲図」が酷似の構図と
気づいたときには思わず膝を叩いた。

晩年(と言っても40代半ばだけど)の
落ち着いた画風の中にも超縦長の奇抜な構図があったり、
とにかく絵を描くのと、それを見た人々の反応を観察するのが大好きな
パフォーマーだったんだろうか。
「どうだ驚いたか?」と顔に出してそうなタイプ。
そして動物とおっさんが大好きなおっさん。きっと女性は苦手だ。

もう一回分、前売券を買っておいて良かった。行動圏内での開催に感謝。
秋は西の国宝展と東の運慶展に話題が集中してるけど、
東京や京都大阪での開催だったらもっと話題になってる気がする。
長沢芦雪ブーム来るんじゃないかな。来るといいな。






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30日の今池TOKUZOでの寒空はだか、遠峰あこ、ナオユキ、かんのとしこ
「蛇腹と捧腹 東西競演」もとても気になったが
そこに向かえるほど回復してなかったのがかえすがえすも残念。
8月の記事で書いた、友人の勤める学校の文化祭にも行くことができなかった。
来月はもう少し体力と気力を伸ばして
ビートサーファーズ主催のライブツアーや
名古屋ボストン美術館の鈴木春信展を見に行きたい。

2017年9月14日木曜日

季節の替り目

9月に入ってこっち、休日はずっと寝転んでる。
枕元のお供は本棚に立てかけてる読み古しの本か、図書館で見かけた本か、
もしくはタブレットで眺めるYouTubeのレトロゲーム動画ではあるが、
ともかく、なんとなく指先に触れたものをぼんやり眺めては寝入ってる。

新しいものを吸収して何かに活かせればという意図もなく
ただのヒマつぶしとして眺めてるのが実情だが、
思えばここ数年はこんな風に寝転がって何かを読んだりすることも
あまりしていなかったと実感する。

気ぜわしい世間から目を背けてるようでどことなく後ろめたさも感じるも、
これは休み方として正しいのかもしんない。
ごろごろん。




2017年8月10日木曜日

出でよ分岐マニア

中学校の教師をしている幼なじみから連絡があった。
「文化祭の外部招聘で落語家を呼びたいがどうすればいいのか?」

その友人も結構な落語好きで、年に一度ぐらいは
家族で名古屋の落語祭を見に行くほどではあるが、
仕事場でそんな話題を口にしてたら「子供達に伝統文化をナンタラカンタラ」と
どうやら白羽の矢が立ってしまった模様。

友人は仕事場での無茶振りに困っていたが
落語好きにとっては、こんな羨ましい話は早々ないので
落語家への依頼方法や高座の設え方などのノウハウがまとまったサイトを紹介し、
さらにお節介ついでに、自分が見た中で楽しい印象が残ってて、
かつ予算に見合いそうな落語家や芸人を何人か伝えた。

それから半月ほど経って友人より経過報告。
その中の一人と話が進んでおり、その方で落ち着きそうとのこと。
いいなー、こんな片田舎の学祭に呼べるなんて
どんな高座になるかちょっと見てみたいな。
学校寄席ってなかなか見る機会なんて無いし。


自分自身のことを振り返ると、中学の学祭はまったく覚えてないが、
高校の方の外部招聘はいくつか記憶に残ってる。
3年周期で演劇・伝統芸能・音楽の各分野から招聘して
それらの出し物を学校の講堂で観覧するスタイルだった。

演劇は現代劇、伝統芸能は落語と紙切り
(誰が招聘されたのか覚えてないのが残念)
ここまでは普通にありがちだが、音楽が一味違った。
管楽や弦楽などではなくシンセサイザーバンドだったのだ。

もちろん、時代が時代だったので、アナログシンセは駆逐されており
小室世代直撃のデジタルシンセ山盛り編成だったが
そんな中で「シンセサイザーと言えばこの曲を忘れちゃいけません」
みたいな前フリから演奏された曲が、人生の分岐を切り替えた。
高校時代よりずっと前の、小学校の運動会で散々流れてて
記憶の片隅に刻み込まれてた曲、ライディーンだった。

そのときにはっきりとYMOが初めて意識付けられて、ほどなくCDを購入。
しかし収録曲が多いからと手を出したのが
当時出回ってたリミックスアルバムでコレジャナイ体験をしつつ、
まともなベスト盤(SEALED)を買うまでに世の中の厳しさを学んだのも
良い思い出。

そしてもっとYMOに詳しくなりたいと、
本屋で雑誌や書籍を買い漁ったうちの一冊がソニー・マガジンズから出版された
「ピコ・エンタテインメント」のVol.1だった。
あのムックがなければP-MODELに興味を示すことはなかっただろうから、
高校の学祭のあのライブ演奏から巡り巡って
今の自分に行き着いたのは間違いない気がする。


友人の中学校での文化祭で、私がお薦めした芸人の芸を生で見て
それがきっかけで伝統芸能趣味に走ったり、
ことによってはその道を目指す学生が現れたら、それはそれで楽しいなあ。
なにが人生の分岐点になるかなんて、分かったもんじゃない。




2017年6月20日火曜日

籠もる水無月

正直な話、先々月ぐらいから続いた物入りや遊びのせいで金欠だ。
無い袖は振れないので、ここのところの休日は地味に暮らしてる。


先月のオーケストラ鑑賞をきっかけに再開した艦これ。
課金要素もあまりなく、レベリングから任務遂行に遠征資源調達まで、
それぞれの作業に対する効果も如実に得られ、ヒマつぶしにはうってつけだ。
ただしゲームだけあって、時間はとびきり潰せるが
よそ事に手が回らないほど潰れすぎるきらいがある。

リアル時間を艦隊運用の資源へと変換するゲームなので
PCを立ち上げたときに常駐させてタイマーをしかけ、
別作業の合間に呼ばれたらお世話するぐらいの関わりが普段は都合良さそう。
あ、これ、たまごっちだ。


藻が繁茂して放置気味だったベランダのメダカ水槽。
見かねた妻がテデトール投与で藻を片づけてくれた。感謝と反省。
それ以来、まめにメダカ水槽を覗いてたら卵を産んだメスを見かけたので
試しにフチについてる藻をザルで掬って指で探ると
ちょっとやそっとでは潰れない硬めの卵がいくつか。
よく見ると眼や背骨が確認できるのもある。
100均グッズで稚魚隔離部屋を設え、卵を掬ってそちらに移動。
今朝には二匹ほど孵化してた。あと何匹孵るだろか。
ちょっと血が濃くなりそうだから
稚魚が育った頃合いで新しいメダカを導入しよう。


録り貯めたテレビ番組や相次いで届いたBDやCDを順繰りに消化中。
KRAFTWERKの3-D THE CATALOGUEは
4Blu-ray+BOOKセットと8CDセットを入手、どちらも英語版。
かなり安めの値段だった海外通販も一瞬考えたが、
手間を惜しんでる間に値段も高騰したので結局、日本Amazonで注文した。
パッケージやら中身やら、いかにもドイツ気質な感じでホッとする。
中身は2010年代のライブアレンジ音源をオーディエンス歓声抜きで
8つのアルバム全曲をすべて収録し直したとのこと。
MVと言って差し支えないようなスクリーン投影映像盤と
ライブ映像盤の2パターンを完全収録してるのが、
流石というかなんというか。

映画聲の形のBlu-rayも到着。
アニメ円盤につきものの店舗別オリジナル特典だが、
完全録り下ろしオリジナルサウンドトラックに惹かれて
ポニーキャニオン通販で購入した。
この、サウンドトラック“inner silence”が、まあ凄かった。
どういう音源なのかは牛尾憲輔氏がFACEBOOKで
つまびらかに解説されてるのでリンク掲載。
 
2時間強にわたって鳴り響くピアノの音色と囁くようなアンビエント音響。
何かのインタビューで読んだ映画劇伴の初期コンセプトとして
とてもストイックに叙事的に流れ続ける。
これだけでは難解だが、映画本編を隅から隅まで覚え込んだ
コアなマニア向けに一度くらいは“inner silence”版を
上映してくれないものか……と思っていたら
立川シネマシティが一度限りの
「映画 聲の形“inner silence”極音上映」を実現してくれた。

「映画 聲の形 “inner silence” 極音上映」 開催決定!

これが笑っちゃうくらいの瞬速で完売。すごいなー。
ぜひとも大垣あたりで再上映してほしい。

貯まってたブラタモリ録画もぼちぼちと消化。
リトルウィッチアカデミアはいよいよクライマックス。
今年も半分過ぎ行きて夏が駆け足でやって来る。


2017年5月13日土曜日

「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ
【Grand Fleet Tour 2017】名古屋 昼公演

「艦これ」と言えば泣く子も黙るブラウザゲームの雄。
私も二年間ほど、毎日のように起動して提督業に勤しんでたが、
去年の夏イベントでアクィラ掘りに失敗して以来、足が遠のいた。
だって日々の備蓄作業がしんどいもん。
資材を貯めないとイベントで新艦娘を掘れないし。


ゲームこそやらないものの、艦これ自体が嫌いになったわけじゃないので
毎日流れてくる情報やまとめサイトに目を通していたら
艦これ公式オーケストラコンサート全国ツアー決定とのニュース。
題して「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ【Grand Fleet Tour 2017】
去年は春に東京、秋に大阪でそれぞれ行われたのは記憶に新しいが、
今年は全国六都市+台北で公演とのこと。規模でかいなあ。

名古屋は愛知芸術劇場コンサートホールで催されるとのことで、
芸文センターの上(県美)と下(小ホール+アートショップ)には
何度も通ったものの、縁遠かった真ん中に入る良い機会。
それにオーケストラ演奏にも興味あるし、
ブラウザゲームではダントツに爽快に気持ち良い市場が形成された、
幸せな経済が回ってるコンテンツだし
とても楽しいひとときが過ごせるに違いない、
なにより単純に艦これ好きだし。

去年の公演はチケット入手も困難とのことだったが
先行予約で難なく入手できて一安心。
ちゃんと本格的なコンサートらしくドレスコードもあり
スマートカジュアルもしくは平服指定に従い、
ジャケットとパンツを新調して準備を整えて会場入りした。


艦これは好きだがそんなに入れ込まず付き合ってきたので
数あるBGMの曲名もほとんど記憶しておらず、
馴染みある曲と知らない曲の割合も半々ぐらいだったか、
それだけに新鮮に楽団の演奏模様も目の当たりにできた。
ゲーム上ではループに耐えられる作りをされている曲も
コンサート用に構成に富んだアレンジが施されており、
ゲーム音楽だけあって熱い曲調もあれば、時にはしんみり聞かせる場面もあり、
悲劇的な背景を偲ばせる楽曲で会場が密やかな空間に包まれれば、
慣れ親しんだ我が家のような居心地の曲も流れ、
中盤の艦娘音頭では場内一体の手拍子が囃された。
各場面の度にどっぷりと艦これの世界に浸っていたあの頃を思い出す。
沁みる曲ばかりで心地良い。


オーケストラのフル演奏を体験するのは初めてだったが
コンダクター竹本泰蔵氏の情熱的な指揮が
いかんなく発揮されて、演奏風景まで見応えあった。
終了後の評判をTwitter検索しても
これまでの諸公演と比べてもピカイチという内容が多く
自分が会場で生で受けた感想も的外れではなかったとホッとする。
客席からの拍手もとても情熱的なものばかりだった。
オーケストラ鑑賞も追っかけると面白そうだ。
なにはともあれ、「行って良かった!」と素直に感動できる
良質なコンサートであり、同時に楽しい艦これ公式イベントでもあった。


会場ではツアーグッズが数種類発売されてたが、
紙モノが好きな者としてはパンフレットがなかったのは少し残念。
去年のオーケストラライブCDが公式通販されてるのは少し気になる。
前説などの会場MCは名古屋では由良が担当しており、
終了を告げる後説では来るべき更なる改装にも触れられていた。

そろそろ実生活に支障ない程度で提督業に復帰しようかなあ、と
なんとなく決意する一日だった。
しかしこんなに長いこと放置しといたから、うちの鎮守府の子達が怒ってそうだ。
まずは春イベを行けるところまで行って、お次は由良を育てようかな。
(2017.05.20:追記 Гангутお迎え完了、E5Bで由良+新艦レベリング中)


本日の演奏曲目をまとめてくださったツイートを転載。


※前段作戦 「邂逅」の前に、カルメン 「間奏曲」 (アラゴネーズ)
※※後段作戦 「特型駆逐艦」の前に、G線上のアリア
※※※「武蔵の帰投」で本編終了、アンコールとして「昼戦」以下4曲