2017年8月10日木曜日

出でよ分岐マニア

中学校の教師をしている幼なじみから連絡があった。
「文化祭の外部招聘で落語家を呼びたいがどうすればいいのか?」

その友人も結構な落語好きで、年に一度ぐらいは
家族で名古屋の落語祭を見に行くほどではあるが、
仕事場でそんな話題を口にしてたら「子供達に伝統文化をナンタラカンタラ」と
どうやら白羽の矢が立ってしまった模様。

友人は仕事場での無茶振りに困っていたが
落語好きにとっては、こんな羨ましい話は早々ないので
落語家への依頼方法や高座の設え方などのノウハウがまとまったサイトを紹介し、
さらにお節介ついでに、自分が見た中で楽しい印象が残ってて、
かつ予算に見合いそうな落語家や芸人を何人か伝えた。

それから半月ほど経って友人より経過報告。
その中の一人と話が進んでおり、その方で落ち着きそうとのこと。
いいなー、こんな片田舎の学祭に呼べるなんて
どんな高座になるかちょっと見てみたいな。
学校寄席ってなかなか見る機会なんて無いし。


自分自身のことを振り返ると、中学の学祭はまったく覚えてないが、
高校の方の外部招聘はいくつか記憶に残ってる。
3年周期で演劇・伝統芸能・音楽の各分野から招聘して
それらの出し物を学校の講堂で観覧するスタイルだった。

演劇は現代劇、伝統芸能は落語と紙切り
(誰が招聘されたのか覚えてないのが残念)
ここまでは普通にありがちだが、音楽が一味違った。
管楽や弦楽などではなくシンセサイザーバンドだったのだ。

もちろん、時代が時代だったので、アナログシンセは駆逐されており
小室世代直撃のデジタルシンセ山盛り編成だったが
そんな中で「シンセサイザーと言えばこの曲を忘れちゃいけません」
みたいな前フリから演奏された曲が、人生の分岐を切り替えた。
高校時代よりずっと前の、小学校の運動会で散々流れてて
記憶の片隅に刻み込まれてた曲、ライディーンだった。

そのときにはっきりとYMOが初めて意識付けられて、ほどなくCDを購入。
しかし収録曲が多いからと手を出したのが
当時出回ってたリミックスアルバムでコレジャナイ体験をしつつ、
まともなベスト盤(SEALED)を買うまでに世の中の厳しさを学んだのも
良い思い出。

そしてもっとYMOに詳しくなりたいと、
本屋で雑誌や書籍を買い漁ったうちの一冊がソニー・マガジンズから出版された
「ピコ・エンタテインメント」のVol.1だった。
あのムックがなければP-MODELに興味を示すことはなかっただろうから、
高校の学祭のあのライブ演奏から巡り巡って
今の自分に行き着いたのは間違いない気がする。


友人の中学校での文化祭で、私がお薦めした芸人の芸を生で見て
それがきっかけで伝統芸能趣味に走ったり、
ことによってはその道を目指す学生が現れたら、それはそれで楽しいなあ。
なにが人生の分岐点になるかなんて、分かったもんじゃない。




2017年6月20日火曜日

籠もる水無月

正直な話、先々月ぐらいから続いた物入りや遊びのせいで金欠だ。
無い袖は振れないので、ここのところの休日は地味に暮らしてる。


先月のオーケストラ鑑賞をきっかけに再開した艦これ。
課金要素もあまりなく、レベリングから任務遂行に遠征資源調達まで、
それぞれの作業に対する効果も如実に得られ、ヒマつぶしにはうってつけだ。
ただしゲームだけあって、時間はとびきり潰せるが
よそ事に手が回らないほど潰れすぎるきらいがある。

リアル時間を艦隊運用の資源へと変換するゲームなので
PCを立ち上げたときに常駐させてタイマーをしかけ、
別作業の合間に呼ばれたらお世話するぐらいの関わりが普段は都合良さそう。
あ、これ、たまごっちだ。


藻が繁茂して放置気味だったベランダのメダカ水槽。
見かねた妻がテデトール投与で藻を片づけてくれた。感謝と反省。
それ以来、まめにメダカ水槽を覗いてたら卵を産んだメスを見かけたので
試しにフチについてる藻をザルで掬って指で探ると
ちょっとやそっとでは潰れない硬めの卵がいくつか。
よく見ると眼や背骨が確認できるのもある。
100均グッズで稚魚隔離部屋を設え、卵を掬ってそちらに移動。
今朝には二匹ほど孵化してた。あと何匹孵るだろか。
ちょっと血が濃くなりそうだから
稚魚が育った頃合いで新しいメダカを導入しよう。


録り貯めたテレビ番組や相次いで届いたBDやCDを順繰りに消化中。
KRAFTWERKの3-D THE CATALOGUEは
4Blu-ray+BOOKセットと8CDセットを入手、どちらも英語版。
かなり安めの値段だった海外通販も一瞬考えたが、
手間を惜しんでる間に値段も高騰したので結局、日本Amazonで注文した。
パッケージやら中身やら、いかにもドイツ気質な感じでホッとする。
中身は2010年代のライブアレンジ音源をオーディエンス歓声抜きで
8つのアルバム全曲をすべて収録し直したとのこと。
MVと言って差し支えないようなスクリーン投影映像盤と
ライブ映像盤の2パターンを完全収録してるのが、
流石というかなんというか。

映画聲の形のBlu-rayも到着。
アニメ円盤につきものの店舗別オリジナル特典だが、
完全録り下ろしオリジナルサウンドトラックに惹かれて
ポニーキャニオン通販で購入した。
この、サウンドトラック“inner silence”が、まあ凄かった。
どういう音源なのかは牛尾憲輔氏がFACEBOOKで
つまびらかに解説されてるのでリンク掲載。
 
2時間強にわたって鳴り響くピアノの音色と囁くようなアンビエント音響。
何かのインタビューで読んだ映画劇伴の初期コンセプトとして
とてもストイックに叙事的に流れ続ける。
これだけでは難解だが、映画本編を隅から隅まで覚え込んだ
コアなマニア向けに一度くらいは“inner silence”版を
上映してくれないものか……と思っていたら
立川シネマシティが一度限りの
「映画 聲の形“inner silence”極音上映」を実現してくれた。

「映画 聲の形 “inner silence” 極音上映」 開催決定!

これが笑っちゃうくらいの瞬速で完売。すごいなー。
ぜひとも大垣あたりで再上映してほしい。

貯まってたブラタモリ録画もぼちぼちと消化。
リトルウィッチアカデミアはいよいよクライマックス。
今年も半分過ぎ行きて夏が駆け足でやって来る。


2017年5月13日土曜日

「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ
【Grand Fleet Tour 2017】名古屋 昼公演

「艦これ」と言えば泣く子も黙るブラウザゲームの雄。
私も二年間ほど、毎日のように起動して提督業に勤しんでたが、
去年の夏イベントでアクィラ掘りに失敗して以来、足が遠のいた。
だって日々の備蓄作業がしんどいもん。
資材を貯めないとイベントで新艦娘を掘れないし。


ゲームこそやらないものの、艦これ自体が嫌いになったわけじゃないので
毎日流れてくる情報やまとめサイトに目を通していたら
艦これ公式オーケストラコンサート全国ツアー決定とのニュース。
題して「艦これ」公式クラシックスタイルオーケストラ【Grand Fleet Tour 2017】
去年は春に東京、秋に大阪でそれぞれ行われたのは記憶に新しいが、
今年は全国六都市+台北で公演とのこと。規模でかいなあ。

名古屋は愛知芸術劇場コンサートホールで催されるとのことで、
芸文センターの上(県美)と下(小ホール+アートショップ)には
何度も通ったものの、縁遠かった真ん中に入る良い機会。
それにオーケストラ演奏にも興味あるし、
ブラウザゲームではダントツに爽快に気持ち良い市場が形成された、
幸せな経済が回ってるコンテンツだし
とても楽しいひとときが過ごせるに違いない、
なにより単純に艦これ好きだし。

去年の公演はチケット入手も困難とのことだったが
先行予約で難なく入手できて一安心。
ちゃんと本格的なコンサートらしくドレスコードもあり
スマートカジュアルもしくは平服指定に従い、
ジャケットとパンツを新調して準備を整えて会場入りした。


艦これは好きだがそんなに入れ込まず付き合ってきたので
数あるBGMの曲名もほとんど記憶しておらず、
馴染みある曲と知らない曲の割合も半々ぐらいだったか、
それだけに新鮮に楽団の演奏模様も目の当たりにできた。
ゲーム上ではループに耐えられる作りをされている曲も
コンサート用に構成に富んだアレンジが施されており、
ゲーム音楽だけあって熱い曲調もあれば、時にはしんみり聞かせる場面もあり、
悲劇的な背景を偲ばせる楽曲で会場が密やかな空間に包まれれば、
慣れ親しんだ我が家のような居心地の曲も流れ、
中盤の艦娘音頭では場内一体の手拍子が囃された。
各場面の度にどっぷりと艦これの世界に浸っていたあの頃を思い出す。
沁みる曲ばかりで心地良い。


オーケストラのフル演奏を体験するのは初めてだったが
コンダクター竹本泰蔵氏の情熱的な指揮が
いかんなく発揮されて、演奏風景まで見応えあった。
終了後の評判をTwitter検索しても
これまでの諸公演と比べてもピカイチという内容が多く
自分が会場で生で受けた感想も的外れではなかったとホッとする。
客席からの拍手もとても情熱的なものばかりだった。
オーケストラ鑑賞も追っかけると面白そうだ。
なにはともあれ、「行って良かった!」と素直に感動できる
良質なコンサートであり、同時に楽しい艦これ公式イベントでもあった。


会場ではツアーグッズが数種類発売されてたが、
紙モノが好きな者としてはパンフレットがなかったのは少し残念。
去年のオーケストラライブCDが公式通販されてるのは少し気になる。
前説などの会場MCは名古屋では由良が担当しており、
終了を告げる後説では来るべき更なる改装にも触れられていた。

そろそろ実生活に支障ない程度で提督業に復帰しようかなあ、と
なんとなく決意する一日だった。
しかしこんなに長いこと放置しといたから、うちの鎮守府の子達が怒ってそうだ。
まずは春イベを行けるところまで行って、お次は由良を育てようかな。
(2017.05.20:追記 Гангутお迎え完了、E5Bで由良+新艦レベリング中)


本日の演奏曲目をまとめてくださったツイートを転載。


※前段作戦 「邂逅」の前に、カルメン 「間奏曲」 (アラゴネーズ)
※※後段作戦 「特型駆逐艦」の前に、G線上のアリア
※※※「武蔵の帰投」で本編終了、アンコールとして「昼戦」以下4曲


2017年4月24日月曜日

お伊勢さん菓子博2017

お伊勢さん菓子博2017に行った。
菓子好きで、博覧会も大好きという種類の人間にとっては
堪えられないイベントである。

去年ぐらいからだったか、生活圏の端々で
笠をかぶって串団子を手にした白犬のマスコットキャラ
「いせわんこ」を目にする機会が多くなった。
調べてみると伊勢で菓子の博覧会「全国菓子大博覧会」が催されるらしい。
今年で27回目で正式名称は「第27回全国菓子大博覧会・三重」だとか。

さらに調べると菓子博は明治時代に始まった歴史ある博覧会で、
約4年に一度、地方自治体持ち回りで開催され、
近年は客寄せのためにエキスポ的な要素も取り入れられた
イベントになっているとのことだ。
町の老舗の和菓子屋にうやうやしく表彰状が掲げられてるのは
この博覧会で行われる品評会の賞状らしい。


これまでの開催地をさかのぼると、
行動範囲内で開催される機会はなかなか珍しい様子。
菓子博のチケットは博覧会らしく、第一期・第二期前売期間があり、
会期が近づくほどに前売価格が上がるシステム。
うん、愛知万博で学んだ。
幸いにも気づいたのは第一期前売期間ギリギリだったので
早めにチケットゲットした。

そうなると伊勢に行くなら乗りたい乗り物がある。
近鉄の観光特急しまかぜだ。
運行開始から4年経っても人気は健在で、
相変わらず予約開始とともに殆どの指定席は売り切れる始末。
そもそも我が家から伊勢志摩方面は車で行こうと思えば行けるので
こんな機会でもなければそうそうしまかぜ乗車の機会もなさそうだ。


菓子博に行く日を開幕初日の4/21に定めて、しまかぜ指定席の予約も無事完了。
博覧会攻略は下調べが重要と、公式サイトや参加企業サイトをチェックしてると
伊勢の銘菓・赤福が菓子博会場限定として「赤福餅祝盆」で新作白い赤福を提供したり
復刻版赤福を販売するというニュースが飛び込んできた。
これは食うしかないよなー。
しかし入場客のほぼ全てがコレ目当てになるのは間違いなさそう。
赤福ファン多いし。
整理券配布場所と入場ゲートからの道すじのイメージトレーニングを
繰り返し、場内で他に行くべきところを調べて本番当日に備えた。


4/21早朝。名古屋から近鉄特急に乗り、
会場最寄り駅の五十鈴川に着いたのが8時台後半。
そこからシャトルバスに乗り換えて会場直行。
後から聞いた話では会場駐車場は台数が少なく、
あっという間に満車になるらしい。車で行かなくて良かった。

博覧会の鉄則は「他人より早く入場列の場所取り」だ。
初日で情報が全く無く開場待ちの客足が読めないのが気がかりだったが
9時に会場についたときは約100~200人ぐらいの待ち人数。
最前列は取れなかったがかなり前の方の場所が取れ、
ここにいる客のすべてが赤福整理券のシステムを知ってるとは限らないし、
これなら早い時間帯の赤福整理券も取れるだろう。


開幕初日のオープニングセレモニーも
リハーサルから通して見ることができて
名誉総裁である彬子さまのテープカットも拝見した。
ところでこのときにシャッターを連写してたら
Googleフォトが後から彬子さまテープカットアニメを作ってくれたが
これをどうしろというのだGoogle。


10時ちょうどに開場。
それと同時に赤福整理券配布場所を目指す群衆、
と、そこには入り口が二つ。白い赤福と復刻赤福で入り口が分かれてた。
我々は二手に分かれ、それぞれの整理券をゲット。

白い赤福の方は一人二枚整理券をもらえて
復刻赤福は12個入り箱売りしかしないので結果的にはこれが正解だった。
(なお、翌日から白い赤福整理券も一人一枚のみ配布へ変更)
(2017.04.28追記:さらに事態は深刻化し、先着制から抽選制へ変更)

この日最大の目的を果たして、赤福販売場所の脇に設けられた
オープンスペースで白い赤福をさっそく味わってると
テレビや新聞の各メディア取材班が現れた。
呼び物の赤福を食べてる人達に感想を聞いてるようで、
我々もインタビューされたけど、どこかで流れたのかなあ。



血糖値が急上昇するような甘い物を食べた後は場内散策。
前回のひろしま菓子博では一番人気で大行列だった
大手菓子メーカー企業ブースが集う
お菓子にぎわい夢横丁も、まだまだ空いてるようなので
入れそうなブースから順に巡る。出てくるときには
その企業のお菓子サンプルがいくつかもらえるので、
これは人が押し寄せるのも分かる。事実、すぐに満員になってた。

夢横丁とは別に、三重の菓子メーカー三社の
赤福・井村屋・おやつカンパニーが共同ブースを構え、
それぞれプレゼンをしてた。赤福の赤太郎なつかしい。
赤太郎の前はリアルタイム中継をしていて
帰ってきた後もネットに繋いでるときについつい見てしまう。



井村屋といえば、今回の菓子博では会場限定カフェを出展してた。
井村屋のカフェといえばアンナミラーズ。
東海地方には出店しなかったアンミラの衣裳を纏うおねえさんが
伊勢で給仕している姿を見て勝手に胸が熱くなる。
ここで軽食とお茶休憩。
その後はメイン展示の工芸菓子と全国郷土銘菓をゆるゆると見学し、
全国から集められた菓子を買い物できる夢の市で買い物してたら
帰るのに大体ちょうど良い時間。
事前にチェックした目的もほぼ果たせたし、
メイン展示も見どころ多く楽しんだし、実入りも多かった。

翌日以降には新聞や情報バラエティ番組で取り上げられて注目度も上がり、
入場客も如実に増えて、赤福整理券の配布終了時間も
10分単位まで早まっているらしい。
やはり博覧会イベントは早め早めの参加と行動に限る。


帰りは五十鈴川の隣駅である宇治山田からしまかぜに乗車。
マッサージチェアのようなふかふかの革張りソファ席は極上。
最後尾の方のパノラマシートが取れたので絶景を楽しめた。
18時前に名古屋着。もっと乗っていたい。

おみやげで買い逃したお菓子もあり、もう一度行きたい気はするが
そのお菓子を直接、製造元から取り寄せたほうが早いかなあ。
なにはともあれ、満足度の高い小旅行だった。
また近隣で開催されるならば是非遊びに行きたい。


菓子博についての書物のリンクを貼ろうとしたらまったく見つけられなかったのは残念。
歴史とか菓子業界への影響力とかまとめたら面白そうなのに。



2017年4月11日火曜日

春は来る

日々の忙しさにかまけてたら桜の季節も半ばを過ぎてた。
冬から春までの出来事を駆け足で書き留め。
写真は後からおいおい追加するかも。


伊:
名古屋市美術館「永青文庫 日本画の名品」(会期:1/14~2/26)
http://www.chunichi.co.jp/event/eiseibunko/

今年前半に期待してた美術展。
呼び物である菱田春草「黒き猫」は元より、
同じく菱田春草「落葉」や、小林古径「髪」に代表される、
美術の授業の資料集で見かける名画から、
横山大観、下村観山といった大正~昭和初期の巨匠の大作も
数多く陳列されており目にも鮮やかな印象だった。

後半は打って変わって白隠と仙厓の禅画。
白隠のインパクトある筆さばきと、仙厓の脱力した絵姿が好対照だった。
しかし仙厓はどう見ても絵心あるのにずるい画風だよ…。

大物も多く、前後期で結構な点数が入れ替えられたが、
前期のチケット半券を後期開催中に提示すると
当日でも前売券価格で入場できるシステムは好感が持てた。

記念に妻が「黒き猫」の複製画を購入。
特製の額も設えて部屋の片隅に飾られている。


呂:
2月中旬に京都旅行。
長年お世話になっている大阪山奥自転車屋の息子さんが
この春めでたく高専に合格したのでお祝いを携えて
泊りがけで遊びにいったついでに、行き帰りで京都立ち寄り。

行きに永観堂のそばにある日の出うどんで昼食。
カレーうどんの名店で開店と同時にお店が埋まり、
客の注文もほとんどカレーうどん。
私達もご多分に漏れずカレーうどん。うん美味い。
たっぷり小麦粉ながらピリッとスパイシーなカレーに
出汁をしっかり効かせて和風に仕立て、
ネギとお揚げと牛肉の時雨煮、口直しの漬物とご飯のセット。
辛めのスープと甘く炊かれた時雨煮のコントラストが良い感じ。
うどんも上品な柔らかさで美味しかった。また行きたい。

食べ終わったら出町柳へ行き、
ふたばで買った大福をデザートに鴨川を眺めてボンヤリ。
肌寒かったが天気も良くて、スズメにパンくずを与えてたら
ハトやカラス、トンビまで寄ってきて大賑わいだった。

大阪山奥に一泊し、帰り道で細見美術館に寄る。
鈴木其一展が気になったが、疲れもたまってきたのでそれは見ず
アートショップで其一のアヒルがプリントされたトートバッグを買う。
150年以上前に描かれたとは思えないくらいプリティなアヒル。


波:
フィルムスキャンにはまってた。
十数年前に撮った写真のネガがいくつか出てきて、
うちのPCに繋がってる機材で難なくスキャンできるのに気づいたので
機械任せでスキャニング。オートとは思えないほど簡単に
あの頃の写真が蘇ったのでちょっと感動した。
取り込んだ写真もGoogleフォトに同期すれば保管も楽だし
色調補正も備え付けの機能で満足いく仕上がりだし言うことなし。

まだネガは残ってるけど、3月に入ったら忙しくなったので
作業は一時中断。またヒマができたら取り込みたい。


似:
景観する循環カフェ 追加公演。
平沢さんのFCイベントで会員限定のトークショー+スペシャルライブ。
感想というかレポートはこちら。
久しぶりの東京だけど午前中の歯科診療を済ませてからの出発だったので
半日ぐらいしかいなかった。こんなに短い上京は初めてかも。
着いてすぐ万かつサンドを買い、山手線で池袋。
ジュンク堂で催されていた旅するミシン店展示販売で
カラスブックカバーを買い、すぐさま中野へ。
メカノにお邪魔してジョイ・ディビジョンのパロディTシャツを入手して
吉祥寺に向かいイベント参加、終演後に中本で夕食を食べて東京駅でお終い。
ちょっとバタバタだったから次の上京はもうちょっと遊びたい。


帆:
カメラを買った。
ここ数年、ずーっと欲しいなあ、けどニッチだよなあ、と
ぼんやり憧れてたリコーのTHETAをとうとう購入。
去年ようやく、納得行く性能と、手の届く価格の、
釣り合いが取れたモデル(THETA SC)が出たのと、
意外なことに妻がTHETAに興味を示したことが決め手だった。

先ほども出た大阪山奥の自転車屋さんが
私達がお邪魔した後にTHETAのフラッグシップモデルを
購入したとのことで、その後に再び所用で大阪山奥に単身行ったときに
実機と撮影した写真や動画を見て、
こういうことが出来ると実感したのが大きかったようだ。
やっぱり生で見るのはデカいよね。

360°全天球が撮影できるという現象は
実際にシャッターを切ってみるとなかなか画期的で、
今までカメラやスマホを構えたときに意識的、あるいは無意識にしてた
「フレームを切り取る」という意志が不要なのは面白い。
それと同時に「被写体からフレームを切り取る」のが、
いかに創造的な行動なのかも実感できた。

また、スナップショットで辺り一面すべてのものが撮影できるのは
実は意外と大きい革命なのかもしれないとなんとなく思った。
カメラのフレームって案外狭い。
昔の写真の背景に写り込んだ、今では残ってない建物や景色って
記憶を思い出すきっかけになるじゃない。
その場の全ての空気を一瞬で取り込めるのは後から響いてきそう。
大垣、水門川の桜を試し撮り。
大垣、水門川の桜を試し撮り。 - Spherical Image - RICOH THETA

とは言っても自分の写真なんて自分で撮らないから、
普段の自分がいかに仏頂面してるのか突きつけられるのは衝撃的だった。
もうちょっと笑顔を作ろう。

重さも控えめだから持ち歩きにも良さそうだし、
普段からこれで全天球写真を撮って歩こうかなと。
しかし今どきの写真事情は便利になってきてて、
カメラで撮った写真がWi-Fi経由で
カメラ→iPad→Googleフォトに保存されて
保存って点ではこれ以上ないくらい楽になったなあ…。


もう一台買っていて、
普通の写真を撮るのにiPadを構えるのがストレスになってきたので
iPadと自動連携できる防水カメラを探してたら、
ニコンが安価なモデルを出してた。しかもBluetooth接続。
写真を撮ったらその都度繋いで転送するようで
常時繋ぎっぱなしのWi-Fiタイプよりも
バッテリーにも優しそうなのでこれに决めた。
色は派手だしカメラとしてはそれなりの性能っぽいけど
スナップ用と割り切って使いたい。
と思って底値を探ってたら、4月になっていきなり急騰。
アウトドアモデルはこれが怖い。

比較的安値で新品がヤフオクに出てたから落札。
いま取引手続き真っ最中だけど、なんとなく向こうの不手際が目立つので
ちゃんと届くか少し心配してる。評価は二桁後半だからダイジョブとは思うけど
お願いだからトラッキングナンバー教えとくれ。

2016年12月19日月曜日

泰王国曼谷訪遊記 その3b

先月の下旬に所用でバンコクに行った。
旅行の顛末は別ブログに5回に渡って記したとおりだが、これはその後書きである。
そんなものはあちらに書くのが道理ではあるが、
旅行記として出すべきことは出し尽くしてしまった。
向こうに書くには味気ないような書きそびれを、こちらに記そうと思う。


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いわゆる「タイショック」が大嫌いだった。
私は平沢進アーティスト人生の一大転機「タイショック」で
振り落とされたファンの中の一人である。
解凍P-MODELの2枚と94年ソロアルバム「AURORA」、
それに第一期DIW/SYUNの作品群は、いずれもど真ん中ストライクで
何度も繰り返し聞き、歌詞カードもボロボロになるまで読んだが、
95年に入ってからのリリース作品はまったく肌に合わなかった。

メンバーお披露目を見に大阪ライブにまで駆けつけた
改訂P-MODELも肩透かしを食らった印象だったし、
AURORA路線の発展を期待したソロNEWアルバム「Sim City」は
前作とはまるで違う灼熱と湿気を伴った作風に面食らったものだ。
ほどなく別の趣味にハマった頃にはP-平沢の新譜が出ても買うこともなく、
たまにはP-MODELでも見ようかとライブチケットを買うも
会場まで行く気が起こらずに無駄にしたことも何度かあった。


P-MODELを積極的に聞かずにいたのは2年間ほどのことだったか。
その後、再びP-MODELの新譜を聞き始めて、
改めてP-MODELや平沢ソロに心酔して今に至るが、
それでもタイショック当時の作品は好きになれずに敬遠しがちだった。
もちろん、20年に渡って最も好きなミュージシャンの作品だから
まったく聞かないということはなかったが、
他の作品に比べて再生を選ぶ機会が少なかったのは確かだ。
同様にSP-2に関する記述も真剣に目を通さずにいたし、
書籍「SP-2」も購入以来、熟読まではせずにいた。

タイという国とSP-2を毛嫌いしてるわけではない。
タイ料理は全般的に好きだし、ムエタイにも興味があった。
しかし、平沢作品との結びつきがどうしても理解できなかった。
思えば解凍P-MODELとAURORA路線からの急転回に対して
どこか裏切られた思いがあったのだろう。
あまりの青さに今となっては赤面してしまう。


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私個人の中で平沢作品とSP-2のピースがはまり、
一人で合点がいったのは、どちらかといえばつい最近だ。
2chの平沢歌詞解読スレで遊んでたときのこと、
ライブ「シュート・ザ・モンスター」のフライヤーに書かれてた一節の話題から
幻のアルバム「モンスター」のテーマである「原初の混沌とした女性性」について、
いくつかの資料を紐解いて解説文をまとめたが、それの最後に、

> P-MODELで女性性の表現を成し得ずに終わった数年後、
> 男も女も飛び越したSP-2という存在と出逢い
> その後のライフテーマになるほど彼女達から
> インスパイアされたのは必然だった。

という一文をなにげなくタイプした時、
自分の中のタイショックに対するトゲがすべて抜けた思いだった。
今でも思い出すが、そんなサゲにするつもりで
頭でっかちに考えて書き進めた文章ではない。
あのサゲは自分がそれまでに読んだ数多くのP-MODEL資料を咀嚼しながら
モンスターという怪物を解き明かそうと無謀な闘いを挑んだ上で
最後に天から降りてきたような、そんな不思議なものだ。

書籍「SP-2」を熟読したのは恥ずかしいことに数年前だ。
あの布張りの豪華な装丁は私の読書スタイルに向いておらず、
ドキュメントスキャナを入手したのを機に蛮勇を奮って裁断し、
電子書籍に自炊してタブレットに入れたことで、ようやく読む環境が整った。
もう10年近くまえの書籍なのでネタバレもなにも気にせず書くが、
「母よ。死刑台のダーゴンファイ」の文中で
女性性について触れる場面に差し掛かった時は、
あながち的外れでもなかったと確信すると同時に激しく後悔した。
これをしっかり先に読んでたらあんな文章、こっ恥ずかしくて書けない。


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さて、実際にバンコクの街を歩き、SP-2ショウを見に行って
感じたことのすべてはあちらにまとめたとおりである。
付け加えるならば、SP-2については
「天女から山姥まで」の多面的で巨大な女性性の表情を、
一端でも身をもって体験できたのは、いろんな意味でも貴重な体験だった。

これが平沢さんの庇護の元で開催される点検隊などのイベントならば
平沢さんの監視が光る中で山姥的な側面はほとんど見せないだろう。
持っていかれた現金はそれなりのものだったが、
代わりに平沢さんの庇護のもとではあまり見せぬ側面も覗き見えた。
そういう点でこちらにも実入りのある取引ができた、と今は思う。


タイに行くことが決まった頃からタイショック作品群、
SimCityやSIRENに舟、コレクティブエラー、クンメーなどを集中して聞いた。
帰った今でも、繰り返し好んで聞いている。
あんなに私の肌には合わなかった作品だったのに、
旅行の体験を経て、タイやSP-2の質感がリアルな情景を伴うようになり、
ようやく当時の平沢さんの衝動がどんなものだったのか、沁み始めてる。
やはり百聞は一見にしかず、ということわざ通りなのだろうか。
腑に落ちるのに20年かかったが、良い作品と実感できて儲けものだ。


パスポートも入手したことだし、また機会を作ってバンコクに行きたい。
妻の試算では20万もあれば二人で楽しく旅行できるだろうとのこと。
タイに限らず別の国も面白そうだ。
人生も後半戦にさしかかったことだし、動ける機会を逃さず遊ぼう。

2016年11月15日火曜日

年の瀬プレゼント

気づけば2016年も残りわずかになってきた。
仕事納めが済んだ後の頃に小中学生時代の幼なじみ二人と忘年会を行うので
今年もそのための連絡を取り始めている。

忘年会会場として自宅を毎年使わせてくれる友人には小学生の一人娘がいて、
少し遅くなったクリスマスプレゼントを彼女に届けるのもなんとなくの慣わしなのだが、
のだめカンタービレにドハマりしてるとの事前情報を元に
去年は指揮棒とマウスピースを携えてお邪魔した。

人見知りしがちの娘さんなので、「ふーんありがと」的な
素っ気なさげな反応でその場ではそれ以上触れようとしなかったが
後日、友人から寄せられた連絡によれば、とても喜んでいたらしく、
翌朝からコンダクター気分絶好調で指揮棒振りまくって大はしゃぎで、
マウスピースの方もほどなくアンブシュアができるようになり
音が出せるようになった、とのことだった。


さて、そうなると今年はどうするという話になる。
指揮棒もマウスピースも、それなりのものでもあわせて千円ちょっとで買えたが
マウスピースに合わせる管楽器ともなれば、さすがにそうはいかない。
忘年会の打ち合わせをするときに今年は何に興味を示してるのか、
それとなく聞いてみた。
彼女がいま興味津々なのはトロンボーンだそうだ。
うん、無理。

最近は入門用・練習用でプラスチック製のものがいくつかあるが、
さすがにどれも五桁からのお値段である。
プラスチック製管楽器シリーズのなかには
廉価な入門楽器としてフルートやクラリネットのおもちゃみたいなものもあったが、
評判を見ると一オクターブしか出ないなど芳しくなく、
変なものでごまかしても仕方ない気がしてきた。
いっそのこと響けユーフォニアムのDVDでもあげるか。
それともここはオタマトーンか。
もうちょっと悩もう。





2016年10月19日水曜日

瀬戸市美術館「没後100年 宮川香山」

今年一年かけて東京・神戸・瀬戸と巡回する宮川香山展。
春先からずっと楽しみにしてた企画展で
最寄りの地方へと来るのを楽しみにしていた。

宮川香山といえば代名詞にもなっている「高浮彫」。
会場に入ってすぐの展示室から香山が手がけた高浮彫の銘品が
これでもかと言わんばかりに並べられていて
揚げ物が続く大盛り料理店のような胸焼けを感じたが、
別室に移ると釉下彩という技法で色付された磁器の品の良い作品も並んでおり、
メリハリの効いた展示構成となっていた。

呼び物でもある猫や蟹の高浮彫はもとより、
鳥と花の造形描写には目を見張った。
古来から日本画の中でも花鳥画は数多く描かれており、
それだけ描写技術が洗練されていたためなのか、
それらの立体化への執念と卓越した造形技術を見物するだけでも価値があった。

客層が普段行く企画展とは若干異なっていたのは興味深かった。
平日の昼間とは言え、地元の高齢者が目立ったのだ。
漏れ聞こえる会話に耳をすますと、
陶芸を趣味とする客が多く、教室の先生に
「これは良い展覧会だから」と勧められて来たという人もいた。
地元の作家の展覧会と思ってたとの発言も耳にしたのが、
さすがというかなんというか、焼き物の街らしいと言えば良いのか。

図録は三会場共通のもので、見本を眺めたら
瀬戸会場では陳列されてない展示物をちらほら見かける。
会期中の展示替えによるものではなく、
展示リストによると東京会場のみ・大阪会場のみと注釈されていた。
少し残念だが、瀬戸会場は公共施設だからなのか、
入場料がお値打ちだったのはありがたかった。
ただ、グッズも三会場で売られていたためなのか、
すでに売り切れのものが目立った。

代表作「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒蓋付水指」の猫を模したストラップを
自分用に購入、キーホルダーにつけてみた。

あの化け猫チックで愛嬌ある猫の雰囲気が良く移されてて可愛い。
しばらくこいつと仲良くしていこう。

2016年10月13日木曜日

京都めぐりぶらぶら系

連休が取れたのでそのうち一日を利用して日帰りで京都に行ってきた。
今回はほとんどノープラン、行き帰りのバス予約と
食べたいものだけ决めて他は思いつきで動いてみた。

とりあえず押さえたいのは、この季節といえば出町ふたばの栗餅、
最近ご無沙汰のたま木亭のパンも食べておきたい。
あとはどこかで牛カツサンドを買ったり、時間があったらお茶したりぐらいの
緩めのプランで動いてたら京阪沿線を行ったり来たりすることになりそうで、
そんなルートを眺めてたら沿線上に気になってたスポットがいくつか浮かぶ。
たま木亭の近くにある黄檗宗大本山の萬福寺と
京都五山のひとつに数えられる名刹、東福寺だ。

見事に何の前知識も入れぬまま詣でたが、見どころは沢山あった。
どことなく中華風の意匠が各所に施された萬福寺は
これでもかと言わんばかりに安置された仏像群が見応えあるし、
境内に山内寺院を多数有する東福寺は庭園も清められていて
ザ・京都といった風格が至る所に漂ってた。
行事のために本坊庭園が拝観中止だったのが残念。
どちらも機会があったらまた訪れたい。

食べ物もいつもと変わらず美味しかった。
一番食べたかったのは栗餅だったが、いもあんの福豆大福が絶品だった。
たま木亭のパンでは焼き鳥ももをネギで和えて
柚子胡椒で味付けした「宮崎」なる惣菜パンが好みだった。
しかし、このところ京都で食べてるものが一本調子なので
そろそろ違うところを開拓したいところか。大丸のファミリー食堂が美味しそう。

朝6時前に家を出て7時台のバスに乗り10時には京都着、
19時半のバスで京都駅を発ち、22時前に名古屋へ戻り帰宅は23時前。
丸一日遊び歩いてたが、運転しなくて良いのが何より気楽。
今回は市バスや地下鉄も使ってせわしなく移動してたが
周遊パスみたいなものを買えばもうちょっと節約できそう。
あとはどこかでゆっくりするのも悪くないかも。
何もかも忘れて連泊してダラダラ遊んでいたい。


2016年10月7日金曜日

Moonriders Outro Clubbing Tour in Nagoya E.L.L. 20161006

ムーンライダーズのライブを見るのは4度目、
初めて行ったのは1998年夏の岐阜ライブだった。
そのときの思い出は別ブログにかつて記したとおりだが、
それから見たのが無期限活動休止宣告ライブとかしぶち哲郎追悼ライブなので、
葬式厨と指差されても仕方ない。

結成40周年を記念して「活動休止の休止」を宣言。
7月から年末までフェス参加やライブハウスツアー、
ホールクラスライブを半年に渡って執り行い、
同時に入会金1万円の半年間限定FCも結成する……という、
なかなか刺激的な発表を伝え聞いたのは初夏の頃であろうか。
地元でもライブがあるし、洒落っ気の効いた価格設定だったし、
賞与が出たばかりの懐具合も手伝ってFC加入し、ライブも予約した。
ほどなく発券したチケットの整理番号を確認したら
我が目を疑うような数字で、逆に客入りが心配になったが、
開催前日に急遽、キャパ250人のell.FITS ALLから
キャパ600人のElectric Lady Landへと変更、ソールドアウトした模様。
うひーE.L.L.なんて昔のハコで初期シンセサイザーズを見て以来だよ、などと
思いを巡らせつつ大須へと向かった。

定刻通りに場内暗転し、ほどなくメンバー登場。
上手前方から武川・慶一・良明・博文、後方に岡田・夏秋と、
近年定番の4人フロントに位置取って音出し、からの一曲目は
昨年に患った大病から復帰を遂げた武川がボーカルを取る「水の中のナイフ」。
すでに日程終了しているフェスなどと同様に、
ライブ乗りの良いアッパーな人気曲がずらりと並ぶ中、
随所に「珍しい曲」(慶一談)を挟む、緩急つけたセットリストが繰り広げられる。

信じられないような最前列センターを陣取れたため、
場所が良すぎた分、フロントのモニタースピーカーの音まで聞こえてしまい、
キーボード・ボーカルがギター・ベースに隠れがちだったのは残念。
とても贅沢な悩みではあるが。
その代わり、メンバーの一挙一動を余すところなく見物できて、
BEATITUDEでの慶一と良明のダブルギタリストによる名物足上げステップや
モダーン・ラヴァーズの博文ショーなど円熟のパフォーマンスを堪能した。
ライブ終了後のフロアにはメンバーより若かろう観客がところどころで
嬉しい悲鳴を上げながら疲れ果てている光景が見られた。

円熟と言えば、今日の演奏は心持ちテンポを抑え気味にしてた気がする。
聞き慣れたライブ盤では疾走感ある走り気味の曲も
今日はテンポを堪えて一音一音、匠の技で配置されて
かっちりと構築していくような印象を受けた。ツアー初日だからだろうか。
残念ながら私は今日の名古屋しか行けないが、週末は新宿ロフト2Days、
そのまま来週は大阪香川、翌月に京都金沢とツアーは進み、
師走には中野サンプラザ公演が発表されている。
活動休止の休止という力技を駆使して再び姿を現した噂の怪物は
結成40周年の節目を死に物狂いで駆け抜ける。
その片鱗を名古屋の地で見せつけた一夜だった。
この怪物、見逃すと後悔するぞ。






追記、というほどでもないが、慶一さんの髪型に意表を突かれた。
まさかのリーゼント。