2018年3月5日月曜日

春の安芸讃岐旅:三日目 金刀比羅宮とうどんと海めぐり

初日はコチラ→:呉の街めぐり
二日目はコチラ→:宮島うまいモノめぐり

三日目の朝は、ほんの少しのんびりと。
9時前に宿を出て、朝ごはんを食べに門前町を歩く。
路地を曲がり住宅街を分け入ったところに、こんぴらうどんの工場があり
その一角で製麺したてのうどんを味わえるとのことだ。


しょうゆうどん150円、かけうどん170円。カップうどんと変わらないよ。
注文すると即座に出てくるのもありがたい。
こんぴらうどんは高松丸亀にくらべて柔らかめと聞いてたが
冷やで締めてあるせいか、そんなことは感じないくらい立派な歯ごたえ。
何杯でも食べれそうで危険だ。


路地から表参道に出て、ここから金刀比羅宮本宮まで石段登り。
噂で見聞きしていたがなかなか斜度もきつい。
昨日の厳島神社同様、まだ早めの時間のせいか人影もまばらだが
それでも石段に挑んでるグループをいくつか見かける。


宮島との違いは、そちらでは目にしなかった地元の参拝客の姿を見かけたり、
外国人観光客でも欧米の人々よりも韓国香港台湾のグループが多め、
国内観光客は老若男女バラエティに富んでるが、団体移動というよりも
数名単位の仲間内でお参りに来る人達がメインか。
パックツアーの定番で大観光地の世界遺産宮島と比べると、
地域信仰も厚いイメージ。参拝が無料なのもあるか。


足腰に地味に疲れが溜まる急勾配の石段が参道から続き、
横に立ち並ぶ門前町もシャッターがしまってるので
特に目につく物もなく、ストイックに石段を登る。
10分ほど進み、大門が姿をあらわしたところで、
ふと右手を見ると、木々が開けたところに灰色の大きな錨が置かれており、
参道の脇には「掃海殉職者顕彰碑」の立て札。
ああ!てつのくじら館で見た航路啓開活動の!



戦後の港湾・水路に残った機雷を除去する掃海作業で
殉職した79名の偉業を讃えて後世に伝えるために
金刀比羅宮に顕彰碑が建立された…と学んだばかりだけど、
それがここだとは。点と点が繋がった思いだ。

掃海殉職者顕彰碑 | 琴平町で楽しむ情報 | 琴平町役場

第二次世界大戦終戦時、瀬戸内海及び日本近海には6万余個に及ぶ各種機雷により主要港湾、水路が塞がれていたため、旧海軍関係者は率先して航路啓開(開設)作業に従事し、我が国の産業経済復興に大きく貢献しました。 ...


顕彰碑の手前に鎮座する錨は、
昭和27年(1952年)に建立された顕彰碑から時代がくだって
昭和後期~平成の掃海母艦はやせで使われたもの。
はやせは湾岸戦争後のペルシャ湾掃海任務の旗艦として
掃海艇指揮や支援任務に従事した艦とのこと。
はやせの業績を伝え国際平和と海上交通安全を願って奉納されたそうだ。



大門をくぐって境内に入るとお宮特有の荘厳な雰囲気に変わる。
ゆるやかな参道と石段を繰り返す木陰をしばらく歩くと
次は高橋由一館の案内看板が目に入る。
これこれ、ここがこんぴら参りのお目当ての一つ。


高橋由一は江戸末期から明治中期の洋画家で、
代表作は美術の教科書にも載っている、身を欠かれて吊るされてる鮭。

鮭〈高橋由一筆/油絵 紙〉 文化遺産オンライン

ここにあげる諸作は、明治維新以後、西洋文化の洗礼を受け、伝統との相剋をのりこえて多様な展開をとげた近代美術の代表的遺産である。 ...
詳しいことは金刀比羅宮公式サイトやwikipediaにあるけれど、
資金援助のために金刀比羅宮で開かれた博覧会に絵画を多数出品し
会期が終わったらそのまま奉納したらしい。
その繋がりで金刀比羅宮所有作品の高橋由一美術館が境内に作られたとのこと。

金刀比羅宮 - 豆腐

null
近代日本美術資料集で頻繁に取り上げられる、まな板の上の豆腐を始めとして、
捕れたての鯛と海老、生乾きのなまり節といった、食品を画題とした
由一独特の静物画を見たくてここまで来たが、
他にも火打具や当時の書物など、身近な物を油彩で描いた静物画や、
左官や漁師の仕事ぶりの様子、四季折々を筆に残した風景画など、
由一が目にして素朴に記録した作品が並んでいた。
豆腐や鯛は別格として、小襖に品良く描かれた月下隅田川が幻想的で美しいな。


由一の絵を楽しんでから外に出ると、並びにある
金色の巨大なプロペラが目に飛び込んでくる。

こんぴらさんの金色&ゴールドコレクション 四国 ワンダーゴールド(ゴールドフォトコーナー) GOLDNEWS(ゴールドニュース)- 金・ゴールドに関する情報サイト

古くから「さぬきのこんぴらさん」として親しまれている海の神様である正式名称:金刀比羅宮(ことひらぐう)。本宮まで785段、奥社までの合計は1368段という長い階段でも有名です。このこんぴらさんには色々なゴールドコレクションがありますので、その視点から色々とご紹介。
今治造船から奉納されたスクリューで大きさは6mとのこと。
台座も敷かれてるのでとにかく大きい。
さすが海の神様。
隣にはアフリカ象の像やこんぴら狗の銅像も設置されてたり
神馬の厩舎があったりと、賑やかな一画だった。


その区画からもうひと登りすれば
2018の大文字と水を飲む二頭の虎図が掲げられている。
書院へと続く門だ。


表書院には円山応挙を始めとする多くの障壁画が飾られており
中でも人気の高いのは愛嬌のある虎図だ。
裏書院には伊藤若冲の百花図障壁画もあるけれど普段は非公開。

高橋由一館とは別料金の入館料800円を払って見学。
靴を脱いで上がり、それぞれの間の障壁画をガラス越しに観覧。
虎、可愛い…。いつまでも見ていられる。
合計8頭の虎が水を飲んだり、ポーズきめたり正面向いたり、威嚇し合ったり。
豹も1頭混じってて可愛い。マヌルネコみたいな顔した奴もいる。
最も左にいる白虎はむっちり猫でパリパリチョコアイスバー的に可愛い。

金刀比羅宮 - 虎之間

null
応挙の弟子である長沢芦雪が描いた虎は
即興な筆さばきなのに卓越した技術で猛烈に可愛く描かれてるが、
師匠の方はとにかく折り目正しく、品と格を備え持った筆遣いでまとめられる。
ずーっと見てても他の客が誰一人として入ってこないのも良い。
逆に心配になってくる。
30分ほどはいただろうか、結局最後まで貸切状態。
とてつもなく贅沢なひとときを過ごした。


高橋由一と円山応挙を見たことで美術鑑賞欲は落ち着いたので
(寺社建築は門外漢ゆえに)本宮を目指す。



お参りしてから奥の絵馬殿を見に行き
掲げられている数々の艦船の写真の中に一昨日、呉で見かけた艦艇や
名古屋港に入港して見覚えのある船舶を見つけて
親戚のおじさん気分をじゅうぶんに味わい、帰路に着く。

石段を下っていくと、行きとは比べ物にならないほど
大勢の参拝客とすれ違うが若者グループはともかく、
ご年配の方々の顔には疲労感がありありと見える。
金刀比羅宮参りは体力勝負だなあ。



琴平駅から丸亀駅へと移り、ここからは讃岐うどん食べくらべ。
目印に駅から十数分歩いたところの麺処綿谷で、冷やし肉ぶっかけを注文。
店の外に数十人、店内は80席ほどだろうか、
平日の昼間だと言うのに大賑わい、なのに回転がとにかく早い。
いわゆる讃岐うどんセルフ方式で食べたいものを取って会計を済ませて食事。


肉、うまい。ラードかヘットで炒めたのだろうか、
油かすのように香ばしい上に肉感たっぷり、それが絞りレモンと相性抜群で、
コシのあるうどんが肉を抱きしめてだし醤油と混じり合う。うまい。
そして結構大盛りだ。空腹につられておにぎりとゲソ天を
うっかり取ってしまったが、ゲソ天の厚めの皮もうまい…。

綿谷で割とお腹が膨れたが、ここで終わってはもったいない。
歩いてしばらくのところにある石川うどんに向かう。
こちらはセルフ方式ではなく普通に注文して席で待つうどん屋さん。
こだわり系の材料を売りにしてるらしくお値段も気持ち高め。
それでも二人で1500円しなかった。いいのかなあ。


こちらでは釜揚げうどんを注文。麺は多いがスルスル入る。
つけづゆもそのままぶっかけで使えそうに上品なおだし。
食べ終わる頃には満腹だったが、どちらの店もベクトルが違って美味しかった。
ご飯が美味しい街は良い街だ。



丸亀から瀬戸大橋を渡って岡山に戻る。
新幹線待ちの間に土産物を買い足して名古屋行きの新幹線へ。
地元に戻ったのは日の沈む前ぐらい。
終わってしまえばあっという間の3日間だった。

旅に出てから気がついたが、今回の旅先は
ノンテーマで適当に行きたいところを挙げて旅程を組んだのに
海上防衛と造船業の呉、海の神様である宗像三女神が祀られる厳島神社、
同じく古から海上交通の守り神として信仰されてきた金刀比羅宮、と
見事なくらい、海と縁あるところを周ってきた。
海洋国家の来し方行く末を様々な角度から見る旅だったと言えるかも。
意図してなかったのにうまく繋がるもんだ。

思えば住処も海の近くだし
あまりにも身近すぎて普段は意識なんて全然してないけど
この国に暮らす上でいかに海が重要な存在なのか、あらためて考え感じる。
修学旅行のような感想になってしまったが、実り多い旅だった。

初日はコチラ→:呉の街めぐり
二日目はコチラ→:宮島うまいモノめぐり







2018年3月4日日曜日

春の安芸讃岐旅:二日目 宮島うまいモノめぐり

初日はコチラ→:呉の街めぐり
三日目はコチラ→:金刀比羅宮とうどんと海めぐり

広島観光といえばやっぱり宮島。
「安芸の宮島」を「秋の宮島」と長いこと間違えてた類の人間だけども
ここは譲れませんとDDH-184口調で呟いてしまう。
宮島に行くならば目的はもちろん厳島神社の参拝となるが
鏡のような海に浮かぶ大鳥居は見逃せない。
となると、潮の満ち引きを調べなきゃなのね、
宮島観光協会が使い勝手の良い年間潮汐・潮見表を用意してくれてて助かる。

2017年1月|年間潮汐・潮見表|一般社団法人宮島観光協会

宮島の年間潮汐・潮見表について。世界遺産・日本三景の島宮島。一般社団法人宮島観光協会では、嚴島神社等の観光施設や自然・歴史を詳しくご紹介します。
えーと、旅行の日程がこれこれで、呉の施設は軒並み火曜休みだから
月曜に呉観光して、火曜の宮島の満潮時刻は、と……。
朝8時と夜19時。
こりゃ9時までには宮島に渡りたいな。
諸々を逆算した結果、7時には広島のホテルを出発することとなった。
早いな!
初日も家を出たのが6時前だし、毎日健康的な起床時刻を過ごす旅行だ。


ビジネス街のホテルのおかげか、朝食ビュッフェが
6時半から始まってたのに感謝しながら軽く朝食を済ませてチェックアウト。
大きな荷物はそのままホテルに預かってもらい出発、
朝焼けの街並みを眺めながら広電の市電駅を目指して歩く。
途中、乗りたい路線の最寄り駅とホテルの間に広島平和記念公園があり、
ニュースや平和記念式典の中継で目にした数々の建物・施設を横切る。



広電西広島駅でJRに乗り換えて宮島口駅へ。
宮島に渡るフェリーは二社が運営しててどちらも同料金なので
山手線・京浜東北線感覚で来た方に乗れば良いらしい。
ここで往復切符を買うと、復路で選択肢がなくなるので悪手とか。
ところで広電に導入されてるPASPYはJR西日本のICOCAは対応してるけど
Suicaなど交通系ICカードは非対応という驚きシステムだったが、
今年の3/17からPASPYエリアでも交通系ICが利用可能になるとのこと。
ちょっと間に合わなかったけど次からは便利そうだ。
宮島フェリーでも使えるのかな。
出かけるにあたりmanacaに目一杯クレジットチャージしたのは内緒だ。


朝早いためか、一時間何本も運行してて回転が良いためなのか、
乗り合わせたのは多く見積もっても数十名ほどの快適な船内。
外国人観光客の姿が多いのが前日の呉との比較でも感じる。
ほどなく出港。漁船も通り過ぎる航路。



行く先の沖にシンボルの大鳥居が見えると否応なく気分が高まる。
約10分ほどで宮島の桟橋に到着して下船。
時刻は8時半ごろでまだ人気も少なく、店もほとんどシャッターが開いてない。
参道の脇道を抜け、地上から大鳥居に最接近できる場所で何枚か撮影。



実際に撮ってみて分かったが、この日のように快晴の場合、
カメラのオート設定だと鳥居や神社の朱色が
実際に目にした時の色合いよりも白く飛んでしまいがちだ。
Twitterなどでイメージ検索しても白っぽい大鳥居の写真が目立つ。
デジカメなら設定で嘘くさいくらい鮮やかに色調補正するのが良さげかも。
スマホだとそういうこと出来るアプリあるのかな。


ピーカンの快晴で海も凪いでて観光日和。
野生の鹿も人馴れしてて、野鳥も多く、
なによりフォトジェニックな風景ばかりなので写真撮影が捗る。
良さそうなカメラを首から提げた人やスマホで気軽に自撮りする人など沢山いた。
時間ともなれば参道も国内外の観光客で活気溢れて賑わってるし、
ザ・観光地の風格がみなぎる名所だった。






参拝を済ませた後は参道観光、目的はもみじ饅頭の食べあるき。


事前に目星をつけてた店で色々と買いまくる。
トラディショナルなこし餡つぶ餡だけでなく、
クリームからチョコからフルーツまで、結構な発展を遂げてる。
ベースが洋風饅頭生地なので、どんなフレーバーでも
だいたい受け入れる素養を持ち合わせてるので何を食べても美味しい。
島内でいくつか食べた後はお土産としてしこたま買い込んだ。
印象に残ったのはひなびた店構えだけど
こし餡一種類だけでやってるお店のもみじ饅頭かな。
餡を自分の店で毎日炊いてるとのことで上品な甘さだった。


宮島もう一つのお目当ては宮島張り子。
島内の土産物屋でも地域色強い品揃えの店で取り扱われてるらしく
Google画像検索すると色とりどりの張り子が並んでる
いくつかの店で探したが、こちらはこれと言ったものに巡り合わず。
東京や名古屋でも取り扱ってる店があるとのことなので
そちらで可愛いのと巡り合ったら考えようと思う。


お昼はお好み焼きをもう一度食べたかったので
昼前に島を離れて広島へ。宮島口駅の方の桟橋に着いたら
これから島に渡る観光客が百人以上並んでた。やっぱり名所なのね。
宮島といえば忘れてはいけないあなごめしは、
駅前の有名店うえので弁当を買って後で食べよう。

JR西広島駅で下車して駅近くのお好み焼き屋で昼食。
今日のものは焼きそば麺に甘めのソースでイメージ通りの美味しいお好み焼き。


広電に乗り換えてホテルに戻り、預け荷物を受け取って広島駅へ。
これから岡山まで行き、瀬戸大橋線で香川に渡るのだが、
こんな機会だからと帰りは途中下車切符が計画されてた。

意外と知られていないJR長距離切符のお得な利用方法

JRでの長距離移動となると、新幹線や特急等を利用して一気に目的地まで行く場合がほとんどだと思います。 しかし、それ故に見落としやすい、意外と融通が利く乗車券の使い道というものがあります。 今回の内容は、鉄道好きの方や、よく長距離移動をする方にとっては周知の事だとは思いますが、それ以外の方にとっては意外と知られていないであろうJR長距離切符のお得な利用方法についてまとめてみようかと思います。 ...
JRの場合、片道100kmを超える区間では途中下車が可能で、
200kmごとに有効日数が1日増える仕組みになってるらしい。
今回の場合、名古屋→広島、広島→岡山、
岡山→名古屋の切符をそれぞれ買うよりも、
名古屋→広島と広島→名古屋の乗車券を買って、
必要に応じて新幹線などの特急券を買い求めたほうがお得とのこと。

これを応用していくと東京←→京都の単純往復より安いと評判の
東京→金沢→京都→東京のいわゆる金沢経由大回りの旅や、
究極は最長片道切符の旅になっていくらしいが、
今回は初歩の初歩である「途中下車をしてみよう編」。
広島→名古屋の帰り道に途中下車して別の切符で琴平に寄ろうという趣向だ。


広島から岡山まで、東日本や中部圏在住の人間には
馴染みが薄く新鮮な新幹線みずほで移動。
500系こだまも候補にあったが懐かしさと物珍しさを天秤にかけて選択。
が、妻が500系に乗ったことがないのを知ったのは旅行最終日。
少し申し訳ない。次の機会には500系。
30分の車中で先ほど買ったあなごめし弁当を食べる。



香ばしくて味付けも上品でうまい。さすが名物として名高いだけあるわ。
広島で食べたものはどれもこれも美味しかった。ご飯が美味しい街は良い街。

岡山で新幹線を降りて途中下車切符を鞄にしまい、
琴平まで直通の普通電車で移動。
特急に乗れば1時間ほどの道のりをのんびり2時間近く電車に揺られる。
琴平についたのは日も陰り始める夕方。
目の前に象頭山が広がるひなびた門前町だった。


泊まったホテルも一昔前のビジネスホテルと観光ホテルの
中間点のような味わい深いホテル。
荷物を置いて歩いて10分ぐらいのスーパーで晩御飯を買い出しに行くが
地元密着型だが品揃えは呉や広島と比べては悪いか。
すこし寂れた街だなというのが正直な第一印象。


パックの茹でうどん麺をポットのお湯で戻してうどん醤油で醤油うどんを作り、
それとサンドイッチを食べて、シンプルな晩御飯で胃を休め
ホテルの大浴場温泉に浸かって早めに寝る。

初日はコチラ→:呉の街めぐり
三日目はコチラ→:金刀比羅宮とうどんと海めぐり



2018年3月3日土曜日

春の安芸讃岐旅:初日 呉の街めぐり

二日目はコチラ→:宮島うまいモノめぐり
三日目はコチラ→:金刀比羅宮とうどんと海めぐり

前述のとおり、結果的にまとまった休業期と相成ったので
気分転換や心の療養を図るために旅行に出かけることにした。
近頃は東西どこに行くにしても日帰りばかりだったし、
夫婦で泊りがけの旅に出るのも久しぶりだ。
突発的ながらも、気になる旅先をそれぞれピックアップした結果、
我々がこれまでほとんど縁のなかった中国・四国地方の広島と香川、
呉の軍港と宮島・厳島神社、讃岐うどんとこんぴら参りと決まった。

数年前に妻がこんぴら+うどんの一人旅をしたが
お目当ての金刀比羅宮・表書院の円山応挙障壁画は雨漏りにより、
お参りの当日に突然公開停止の憂き目に遭って見られず。
今回はそのリベンジの絶好の機会でもある様子。
それぞれが旅先で見たいものの下調べを重ね、
旅行の計画好きな妻がルートを組み立てて旅行の当日を迎えた。


名古屋から新幹線のぞみで2時間半、広島駅で降りて
コインロッカーに大きな荷物を詰めて呉線に乗り換え。
単線をのんびりと進むと30分ほどで呉駅に到着。
駅から伸びる立体歩道橋の案内に従って歩くと
てつのくじら館の展示物である巨大な潜水艦が目の前に広がってきて、
沈黙の艦隊を熱心に読んでた頃を思い出してちょっと心躍る。



レンガ造りの大和ミュージアム
潜水艦がトレードマークのてつのくじら館が隣接しており、
まずは大和ミュージアムから観覧。
屋外展示の戦艦陸奥主砲・スクリュー・舵に圧倒されてから入場。



さて、旅立つ数日前に大和ミュージアム公式サイトを眺めてたら
先日からスマホアプリと連動した館内音声ガイドが導入されたとのことで
ナレーション担当は竹達彩奈さん。
うん、大和だね。
うちにいないのが残念だ。
中野梓フィギュアなら我が家にもいるんだけど。

【艦これ】大和ミュージアムの音声ガイドが大和の中の人こと竹達彩奈さんであることが発覚! : 艦これ速報 艦隊これくしょんまとめ

702: 名無しさん@おーぷん 2018/02/23(金)21:45:18 ID:kaO 728: 名無しさん@おーぷん 2018/02/23(金)21:46:10 ID:QRQ 780: 名無しさん@おーぷん 2018/02/23(金)21:48:04 ID:kaO 799: 名無しさん@おーぷん 2018/02/23(金)21:48:47 ID:bZb >>702 声優 英語力で検索したら何故かいの一番に上がる人じゃないか! 対応言語が4ヶ国語なのに、日本語ナレーションのところだけ項目があるのはわざとだろうなぁwこれはまた行きたくなりますなぁ 多言語音声ガイドの導入について - 大和ミュージアム 関連記事: 【艦これ】呉の海事歴史科学館「大和ミュージアム」に行ってきましたフォトレポート 引用元: http://uni.open2ch.net/test/read.cgi/gameswf/1519387185/

iPadの設定に苦労しながらもなんとか音声ガイドを拾えるようになり、
館内の目玉展示である10分の1戦艦大和のところから
音声ガイドに耳を傾けつつじっくりと展示を見る。
明治中期の呉鎮守府開府から太平洋戦争開戦と終戦、
戦後の港湾都市再生までの足取りが膨大な実物資料や模型資料とともに
解説されており、様々に考えさせられたが、
呉の街の戦後復興の模様を紹介した展示の次に
現在の呉港の姿がパノラマで広がる一階ロビーに繋がる展示構成は
なんというか、うまいなあ。胸に響く。



隣接するカフェで昼食を摂ってから、てつのくじら館へ。
大和ミュージアムは呉市が設立主体だが
こちらは海上自衛隊の広報施設。そのためか入場無料。

目玉はなんといっても実際に就役してた潜水艦あきしおの内部公開だが、
まずは戦後復興において海自の大きな役割だった航路啓開活動の展示から。
なんですかそれ? と首を傾げてたら
主に戦争中に日本の近海に敷設された機雷を除去する掃海作業とのことで、
戦地に地雷が設置されるならば、海には機雷が撒かれるのは確かに道理。
言われてみればペルシャ湾での自衛隊の掃海活動のニュースも頭に浮かぶけど
掃海についてあまり考えたことがなかったので眼から鱗だった。
海上自衛隊の掃海活動の歴史から具体的作業と技術紹介、
掃海活動中での殉職職員にも触れられ、制海権の重要性を認識させられる。

階を登って潜水艦の設備展示、隊員用の3段ベッドも実際に寝転んで体験可能、
そして潜水艦あきしおの内部展示へと繋がっていき、潜水艦の狭さを実感する。
潜望鏡からは呉港を眺望することができて沈黙の艦隊ごっこも捗る。
潜水艦から出た後は1階のカフェスペースで休憩。
目的の一つである「愚直たれ」を使った呉総監☆ドッグを食べる。
まもなく提供終了とのことで物珍しさに惹かれて食べてみる。うん美味しい。


『呉総監☆ドッグ』 愚直たれ認定式が行われました | 海上自衛隊呉史料館

海上自衛隊の機雷掃海と潜水艦の史料館


てつのくじら館を出て散歩がてら和菓子の天明堂まで歩き
銘菓の鳳梨萬頭を買い込んでから妻と一旦解散。
現役の潜水艦や護衛艦を間近に見れる公園、アレイからすこじまにバス移動。
この日はヘリコプター護衛艦かが、潜水艦救難艦ちはや、輸送艦おおすみ、
などを見られたが、一人で見てる時はかがぐらいしか艦名が分からず。
艦艇を撮影しても怒られない平和な時代であることに感謝しつつ撮りまくる。
向かいの港町珈琲店でお茶を飲んで休憩。ちょっとだけ聖地巡礼。







呉駅に戻りスーパーマーケットゆめタウンをブラブラして妻と合流。
日の入り時刻に合わせて出港する呉艦船めぐり・夕呉クルーズに参加する。
普段、海沿いで暮らしてるものの、商船やタンカーが中心に行き交う貿易港なので
造船と軍港がメインの港は雰囲気がまた違うものだと眺め感じる。

このクルーズでは先ほどアレイからすこじまからも見えた
呉港に停泊する海上自衛隊の艦艇だけではなく
隣接するジャパンマリンユナイテッドで建造中のタンカーまで解説された。
戦艦大和の建造ドックに覆われてた大屋根が現存してるのかい。凄いや。








艦船の解説紹介が一通り終わる頃に日の入り時刻を迎えて、
海上自衛隊艦艇で日の入りに合わせて毎日行われる
自衛隊旗の降納と君が代ラッパ吹奏を海の上から静聴。
今日も一日お疲れ様でした。





クルーズも終わって日もとっぷり沈み、呉の街から広島市内に戻る。
これでもまだ周りきれなかったのが正直なところ。
この世界の片隅にロケ地も行ければ良いなと思ってたがそれは次の機会に。



呉市のゆるキャラ呉氏も見慣れると愛着が湧いてくる。

呉IN-呉IN THE BLUE CHARACTERS

まさかのセカンドシングルをリリース!? 呉駅に向って走る あの列車に乗って行こう「呉IN-呉IN THE BLUE CHARACTERS」見てクレ!聴いてクレ!楽しんでクレ!
 


広島市のビジネス街に位置するホテルに宿を取り荷物を置き
近所のお好み焼き屋でちょっと遅い晩御飯。
生地がクレープみたい!博多ラーメンのような細麺!
広島風お好み焼きのイメージが一新される一枚だった。何枚でも食べれそう。
牡蠣のバター焼きも注文したがこれも新鮮な牡蠣がたまらない。


広島に来て良かったと満足しながら初日就寝。
明日の朝は早いぞ。

二日目はコチラ→:宮島うまいモノめぐり
三日目はコチラ→:金刀比羅宮とうどんと海めぐり