2018年4月2日月曜日

春の歩け歩け仙台東京旅

食べすぎとは資産を贅肉へ変換する行動ではなかろうか。
なんとなく、そんな考えがまとまりつつある。

もちろん、私もお腹いっぱい食べれば幸せだし、ストレス食いもやりがちだ。
しかし、食べた分は身体に貯まる。
動けば減るが、運動や代謝で使わない過剰分は脂肪になる。
さらに、贅肉を消費するのは手間も時間もかかる。

お金持ちでもないのに、お金を使って食べ物をいっぱい買って太り、
肥満解消のためにダイエットするというのは、お得じゃなさそうだ。

ところで、ケチで名高い某国紳士の趣味は散歩である、と聞く。
なるほど確かに、金はかからず、時間も潰せて、身体にも悪くない。
彼らに習う点は多そうだ。
むだに食べずに歩く。
これらを念頭に置いて旅に出た。


今回は東の方に向かいたいという一心で、名古屋から仙台へとフェリーで渡り、
そこから夜行バスで東京に向かい、一日うろうろしてから日の沈む頃に帰る、
というプランをひねり出した。

フェリーの滞在時間は約22時間。
三食分と、船上の時間をどう過ごすか考える必要がある。
船内レストランのバイキングは魅力的だが、
前に乗った時にも食べたし、なにより今回はお金がない。
旅気分を保ちつつも、締めるところは締める懐の割り振りを考える。


名古屋の南玄関である金山から栄へ。
錦三の繁華街に店を構える川口屋で和菓子を調達し、名駅までは散歩。
デパ地下でお手頃価格のパックをいくつか選んで
空いた時間にコンビニやドラッグストアで
明朝のラーメンとおにぎりを買い、二食分を計上。
船酔いするかもしれないし、食べれるなら船上ランチすればいいし、
こんなもんかと。



名鉄バスセンターから直通バスでフェリー埠頭へ。
フェリーの乗客も多そうな混雑具合。
乗船手続きを済ませて太平洋フェリーいしかりに乗る。
自分に割り当てられたB寝台に荷物を置き、船内を巡れば船旅気分も増す。
やはり春休みだろうか、各所で子供たちがはしゃぎ回ってて賑やか。



定刻19時に出港、名港トリトンと工業地帯を横切るまでは夜景が美しいので
デッキからぼんやりと眺める。風がちと冷たい。
月はきれいだが、星はそこまで見えない感じ。春霞か。




1時間ほど外の景色を楽しんで、船内の展望通路に戻る。
ソファやスタンドが並び、乗船客が気ままに陣取って過ごせるスペースで、
デパ地下グルメを広げて夕食を摂る。おこわと豚角煮。
食後のデザートには桜餅。



食べたら風呂に入って着替え、寝台にこもる。
携帯の電波はもう届かないので、手持ちの文庫を読みながら眠りに落ちる。
なお、船内の過ごし方は色々と用意されてて
太平洋フェリーの公式サイトで紹介のモデルプランもおすすめ。

船内での楽しみ方|初めての船旅|太平洋フェリー

太平洋フェリー、初めて船旅をされる方に船内での楽しみ方についてご案内しています。


酔い止めと花粉症の薬が効いたのか、翌朝10時頃起床。
持ち込みのカレーヌードルとおにぎりを手に、船内売店でお茶を求めて、
オープンスペースで朝食。周りをカレーテロに陥れる。
フェリーの現在位置は房総半島沖だし、
薬のせいかぼんやりしてるので二度寝を決め込む。

次に起きたのは13時過ぎ。まだ空腹感はないから昼食は飛ばせそうだ。
そろそろ下船を見据えて準備を進めよう。
下船したら次に風呂に入れるのは翌朝なので
もう一度風呂で身を清めヒゲ剃り。
寝台の中で下船直前のお楽しみのために、黙々とギョニソを刻む。

身支度を整えてプライベートスペースを後にし、
残りの時間は展望通路ソファに腰を下ろして読書タイム、
姉妹船きそとの海上すれ違い予告が聞こえたらデッキに出て見送り。






携帯電波も戻って、ネットが見れるようになったら仙台港も近づいた証拠。
デッキに出るとウミネコが一羽二羽、上空を舞ってる。
ここで先ほど用意した刻みギョニソをひとかけら、彼らに向けて投げる。
すると、ウミネコの群れがどこからともなく増大する。
仙台港名物ウミネコショーだ。



向かい風の中、よくキャッチできるもんだなーと感心しつつ、
次から次へとギョニソを放り投げる。
着岸を見ようとデッキに居合わせた人々が、ウミネコに向けてスマホを構える。
ギョニソを親子連れに分けて、みんなで楽しむ。
ウミネコでかいな。SNSネタにも良さげなボリュームだ。

松島の方では海鳥に餌やりが禁止になったと聞くが、
仙台港はどうなのだろう。
あちらの理由は糞が松枯れの原因だからとも聞くし、
こちらで餌やり禁止の告知は見てないから、黙認ぐらいの意識でいいのかな。


16時半に下船。港から見える多賀城イオンに向かって進む。
さすがに小腹も空いたので、すり身串揚げとお茶を買い、
一息ついたら多賀城駅を目指して歩く。暮らしやすそうな街だ。




多賀城から仙台まで30分ほど電車に揺られる。
ここで興味深かったのが楽天イーグルス人気。
ちょうど開幕戦の日であったのは確かだが、
ポケット選手名鑑を広げて選手談義で盛り上がる学生、
ペナント開幕の話題を口にする社会人などの会話が耳に入る。
名古屋で中日、ここまで話題になってない。
地元で愛される球団として根付いてると感じる。

仙台駅に着いて駅弁を探す。
ネットで見かけた炙りえんがわ寿司が美味しそうなので食べてみたい。
しかしどこも売り切れてた。俺の炙り。
ずんだ茶寮のずんだシェイクで心を落ち着かせて、
目標を牛タン定食に切り替える。しかし、下調べが甘かった。
正直言って、もうちょっと美味しい店があったんじゃないかと
心残りを引きずりながら夕食を済ませる。
また仙台に来る理由ができた。




妻への土産も買い、繁華街のブックオフで時間をつぶして20時半。
バス乗車までの3時間はサイゼリヤでドリンクバーかな。
仙台駅東口のサイゼリヤは酔っぱらいで満席だった。
こんな時間だと言うのに外に行列まであった。おかしい。

東口の屋台村EKITUJIでロッテ×楽天のパブリックビューイングを観戦し
(鉄平と阿部が生解説やってた。楽天FM東北の放送企画らしい)
小一時間たったところでもう一度サイゼリヤに。
さっきより行列が伸びてる。これはあかん。
パブリックビューイングに戻るのが一番楽しそうだ。



試合も延長戦に突入して緊迫した攻防が続く。
終電も気にせずに盛り上がる観客。寒くなければもっと楽しいんだけど。
途中で居酒屋の納豆ご飯と厚揚げを食べて、試合終了まで観戦。
ビジターゲームなのによくぞ延長を制した。身体は冷えたけど心は熱い。
試合終了は23時30分すぎ、バスの乗車時刻は23時45分。
ありがとうイーグルス! 今年はちょっと気にかける!


バスが動き始めたらとっとと寝る、つもりだったのに
途端にくしゃみ鼻水と涙が止まらなくなる。
悪寒はしないので間違いなく花粉だ。
薬と予備ティッシュを入れたカバンは網棚の上に置いてしまった。
助けて。
パーキングエリアでの乗務員休憩のタイミングで
ティッシュを取り出す。生き返った。
その後、少しだけ意識が飛ぶけど、気がついたら空も白み始めて東京着。

降りたらすぐに薬を飲んで新橋に移動。
カプセルホテルの入浴プランで風呂に入って着替え。
新橋から汐留経由で築地。
あれ、有楽町から銀座経由で向かうよりも近い?


築地では岩佐寿しの貝づくしか、吉野家一号店かの二者択一で、
岩佐寿しに行列ができてたので吉野家へ。
築地は何度も来たけど入ることないだろなーと諦めてたので思い出づくり。
お味はいつもの吉野家。一食分の経費が浮いた。




午前中はヤボ用で立川へ。混雑と行列で大盛況、楽しかった。
昼前には用事が済んだので、中央線と銀座線を乗り継ぎ浅草方面へ。
自分用お土産にせんべいを買いたくて向かったのだが、
東京には年一は必ず来てるのに浅草寺も仲見世もほとんど歩いてない。
良い機会だとお上りさん気分で浅草で降りる。
地上に登ったら一気に観光客だらけ。春休みの週末怖い。



仲見世を練り歩いたら人酔いし、人混みが少なめの浅草六区に逃げる。
浅草演芸ホールには入る機会がないなーと横目で通り
入山せんべいで缶箱入りのを購入。


さてここで時刻は14時前。新幹線の予定時刻は18時前。
ぷらっとこだまプランだから変更はできないし、
歩いて時間を潰すか。でも昼食はどうしよう。
どういうルートにしようかと、Googleマップを見てたら
現在地から上野の間にそば屋の翁庵があった。

翁庵のことはすっかり頭から抜けてたが、どうやらGoogleマップは
かつて検索したスポットを強調表示する機能がついてるっぽい。
これ幸い。
浅草通りを西に歩く。途中で巨大コック顔が見えて
初めて合羽橋の場所を知る。
電車移動だけだと街と街の繋がりが分からないね。
翁庵で久しぶりのねぎせいろ。



仲見世に続いてアメ横も観光客で大賑わい。
アメ横と言えば小島屋のドライフルーツ。お土産お土産。
御徒町まで来たのでお世話になってる方の勤め先を
そっと外から聖地巡礼。まだ営業時間外、お仕事お疲れ様です。
そのまま線路沿いに秋葉原を通過。ここも人混み激しい。
外国人観光客も増えたなー。


総武線をくぐると人も減って静かになり、神田駅から大手町へ向かう。
皇居あたりでまた観光客も増え始め、東京駅の赤レンガに到着。
東京駅の大丸で残り時間を過ごし、
新幹線車内でのお楽しみに万かつサンドを買いこんで発車。




浅草から東京駅までが7kmと少し、昼食の時間も含めて3時間弱。
今日の歩いた感じなら築地までも行けるかな。
風も心地よくて天気と季節が良かったのもあるかも。夏と冬はつらそう。
3日間のトータル歩数は約64000歩。
食費はこれから精算するとして、概ね食べすぎずに済んだ自負あり。

いっぱい食べて満腹グルメ旅は大好きだけど
これはこれで色んな景色をゆっくり楽しめたし、悪くないかも。
むしろこういう方向性を見出して、健康とお金に気を使いたい。



0 件のコメント:

コメントを投稿